「Jクラブからオファー…自ら切り出す余裕も」U-23日本代表・大岩監督“続投会見”で記者が驚き「グチをこぼすのではなく」LA世代への教訓
25年はU-23アジア杯とU-20W杯の兼ね合いが
大岩監督は苦笑いで振り返りつつ、全体の底上げの必要性も口にした。 「小言のように“こうした方が、ああした方が……”と、パリオリンピック中もいろいろなサポートをするより、A代表に近い形の方が(強化に)早いんじゃないか、などと言いながら進めてきました。LAでもいろんな障害があるだろうけど、それに対して愚痴をこぼすのではなく、乗り越える強さを持って、ラージ100(代表候補を含めた100人程度の選手を指す)とともに、しっかり困難に立ち向かえる大きい強いグループにしていきたい」 一方、山本ダイレクターは各世代別代表が直面する日程面についても説明した。LA大会に向けて最初の大会となるのは、2025年9月上旬に控えるU-23アジアカップ2026の予選。これが9月下旬に始まるU-20W杯と時期が接近しているのだ。LA五輪とU-20W杯で出場可能なのは2005年1月1日以降の生まれの選手だが、同じ時期に2チーム編成することを考慮した上で、この時期の監督発表となった。そして最初の活動は来年6月か7月頃になるとも山本ダイレクターは説明した。
国民の熱狂的な盛り上がりを考えると五輪は…
パリ五輪では大岩ジャパンはベスト8で終わった。本番に向けての日程に困らされただけでなく、本大会ではオーバーエイジはおろか、当該世代でも久保建英、鈴木彩艶、鈴木唯人ら主力候補の招集はできなかった。世界的には、五輪を重要視しない国もあれば、スペインのように法的に招集に拘束力を持たせている国もあり、価値観はそれぞれ。 では日本はどうなのか。 「日本において五輪の位置づけ、注目度、国民の熱狂的な盛り上がりを考えていくと、重要な大会と認識している。一方で、サッカー男子だけがU-23の育成年代の大会です。JOCの施策と育成と勝利をバランスよくやっていくという究極の仕事だと思う」 とは山本ダイレクターの言葉である。その上で「LAでも基準、目標、目的を明確にしながら、メダルに向けて」と大岩監督はゴール地点を設定した。
“パリのリベンジ”ができるという考え方
パリ五輪準々決勝でスペインに完敗し、4年間を振り返る中で大岩監督は涙した。 選手たちはあの悔しさを、別の舞台で晴らすしかないが、指揮官とコーチングスタッフは同じ五輪という舞台をまた与えられることになった。このチャンスをどう生かしていくのか。大岩ジャパンの、LAへの旅が始まる。 そんなことを考えつつ思い出すのは――この夏のパリ五輪での移動である。過密日程の「ドサ回り」で、さらには想定外の事態が多かったからだ。〈つづく〉
(「サッカー日本代表PRESS」了戒美子 = 文)
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