お笑い番組で「笑いを取るために役を引き受けながら」バービーが心の奥でひっそりと考えていたこと
「“イエベとかブルべとかどうでもよくない?自分の好きなものを着ようよ!”という思いで下着を作っている」
ー最近のお仕事について具体的に教えてください。 最近のお仕事は、“芸人”というベースがありつつ、肩書きは自ら“ワクワククリエイター”って名乗っています。まわりからは「ダサいからやめな」って言われるんですけどね(笑)。具体的には、下着のプロデュースや執筆活動、SNSでの発信がメインです。 私が下着のプロデュースを始めた頃って、メーカー主導の消費者行動っていう感じがあって。メーカー側から「細身のほうがいいよ」「胸は盛ったほうがいいよ」「背中のお肉は(前に)寄せましょう」とか、消費者目線ではない、メーカーからのメッセージっていうのがすごいあって。その中のひとつに、サイズの幅がないっていう問題がありました。それによって、「このサイズにあなたはやせなさい」って言われている気分になるっていう方がたくさんいて。私も実際そうで。 なので私は、サイズの幅がしっかりあって、色もカラフルなオレンジとかドピンクとか、なかなかメーカ-さんが作らないデザインの下着を作りたいと思いました。日本の下着ってセクシーじゃないものが多いんですよ。だからこそ、セクシーで自分に自信が持てるようなコンセプトのものを作りたくて。 「イエベとかブルべとかどうでもよくない、自分の好きなものを着ようよ!」みたいな感じの下着をたくさん作っています。
「グッと堪えて踏ん張った時代があるから、今は好きなことだけをする自分を許せる」
ー現在は芸人のお仕事にとどまらず、活躍の幅を広げられていますが、最初はまわりの目は気になりましたか? 今も気になっていますか? 私自身、芸人の枠から一歩飛び出して、「下着を作りたい」とか「町おこしやりたい」とか動いてたときって、最初は同業者からの目はすごい気になりましたね。 「あいつそっちの道行っちゃった?」みたいに思われるんじゃないかって。政治的な発言をしたときも、「あぁなるほど、そっちの道いっちゃたんだ、ふーん」って思われるかな、と。芸人はやっぱり“その道を突き詰めてこそ美学”みたいなところがあるので、正直恥ずかしいなって思う気持ちもありました。 でも今になって思うのは、そうやっていろんなことにトライしたからこそ、ベースで芸人をやってたことと今の活動が、点と点が線でつながったなって思うんです。 そして今は、「人の目は気にしない。だって私のためだもん、生きてるの」って心底思っています。だから、たぶん今後は好きなことだけして生きていくと思います。こんな風に好きなようにやれているのは、それは若い時に、たくさんの逃げ出したくなるような経験をグっと堪えてきたからかなって思ってます。そこだけは日本古来のやりかたみたいな感じなんですけど(笑)。 その結果、「あれだけ堪えたんだから、今はもう好きなことやってよくない?」って心底思える。好きなことをやる自分を許せる自信につながったかなって思うんです。だから今は、あのとき堪えて本当によかったなって思ってます。
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