関東屈指の人気の山「大山」 初心者&ファミリーから健脚派まで「何度でも訪れたくなる理由」とは?
東京から小田急線や新幹線で西に向かっていると、右手に神奈川の山々、丹沢山塊が現れる。今回はその東側に位置するピラミッド型の大山(おおやま・標高1,252m)を紹介する。多くの登山者を魅了する大山だが、その魅力はどのような点にあるのだろうか。 ■【画像】木々の緑と神社の鮮やかな色合いの美しさに感動する「阿夫利神社下社」は多くのハイカーや参拝者でにぎわうパワースポット!(写真をすべて見る)
■おすすめ理由は、大山参拝・アクセスのよさ・ケーブルカーの存在
大山山頂には阿夫利(あふり)神社本社、山腹にその下社があり、霊山として農民、漁民からそれぞれ水を司る神、航行守護の神として崇敬を集めている。本社を訪れるには、バス停・大山ケーブル駅、もしくはマイカーにて近隣駐車場までのアクセスが必要だ。そこからお土産店や食事処のある「こま参道」を経て、ケーブルカーに乗車する方法があり、アクセスがよいのがありがたい。 ケーブルカーを利用すれば、下社から往復3時間前後で登頂が可能だ。子ども連れのファミリーや体力に不安のある方でも、この程度の時間であればチャレンジできるかもしれない。参道でもある登山道は明瞭であり、初心者の一人登山でも安心して歩ける。
■大山の登りやすいルート紹介
1. 大山ケーブル駅ー阿夫利神社下社ー表参道 2. 日向薬師ー関東ふれあいの道ー雷ノ峰尾根 3. 蓑毛ーヤビツ峠ーイタツミ尾根 4. 秦野駅/鶴巻温泉駅ー善波峠ー高取山 ( 556m ) ー浅間山 ( 679m ) ー 表参道 大山登山を考えた時に選択肢となりうるのが、上記の1~4のルートだ。 2 は、首都圏自然歩道にもなっている「関東ふれあいの道」を歩く。表参道のひとつ東側に位置する雷ノ峰尾根を歩き、高度を上げていくと西側に下社が見える。木々の合間に神社の朱色が見える眺めはすてきだ。休憩ポイントの見晴台からは下社を経て表参道ルートも選択できるし、経由せずに山頂を目指すこともできる。 3 については、イタツミ尾根を介して、バス停のある蓑毛とヤビツ峠、そして大山とを結ぶルートで、頂上から高度80m前後下がったところで表参道に合流する。上り下りとも全般的に歩きやすく、初心者でも不安なく歩けるだろう。下社を経由しないので、表参道に合流するまで登山道は人が少なめだ。静かに歩きたい人におすすめ。 今後、登山になれてきたらヤビツ峠から丹沢表尾根の二ノ塔や三ノ塔、そして塔ノ岳に登る機会もあるかもしれない。この機会にヤビツ峠を見知っておくのもよい。 トレッキングを存分に楽しみたい人向けとしては、4 のルートがある。このルートで往復すると10時間以上もかかるので、現実的ルートとしては、往路ではケーブルカーを利用する1 のルートで時間を節約し、復路でこのルートを選び、浅間山 ( 679m ) 、高取山( 556m ) などを経由して小田急線・鶴巻温泉駅、あるいは秦野駅に至るのがおすすめ。時間がかかるので入念な登山計画を立て、長時間の行動でも水や食料を計算し、非常時にも備えられる技量を持ったハイカーのルートだ。 なお、低山や丘陵地帯は人の踏み跡や林業の作業路などが紛らわしい場合があり、道に迷いやすい。日没前までに駅まで着かないと判断した場合は、途中からバス路線のある道路に下りバスを利用しよう。 リストに挙げたルート以外にも、宮ヶ瀬湖方面から大山にアプローチする方法がある。しかし、このアプローチは時間がかかり、登山計画もタイトとなる。しかも道迷いを起こしやすい箇所があることから、おすすめしない。 茶屋やケーブルカーでゆっくり景色を眺めながらハイキングできる参道ルートから、丹沢の山々と組み合わせて登山計画を立てる本格派まで、幾通りも登り方があるのが大山の魅力だ。