「人生の後半」を楽に過ごすために手放すもの3つ、これまでの習慣を捨てることで発見できるものもある
五感の欲も、同じように抑制する術がないと害を及ぼします。その被害の大きさは、身を滅ぼし、悪名を広げ、一時にとどまらず、代々まで害が及ぶことになるのです」(名取訳) ■「運転」という習慣を捨てることで新たな発見も お釈迦さまの言う欲と高齢者の運転が同じとは言いませんが、他人の命にかかわる事故を起こせば、「その被害の大きさは、身を滅ぼし、悪名を広げ、一時にとどまらず、代々まで害が及ぶことになる」に、身が引き締まる思いがします。
ウインカーを間違って出したり忘れたりする、歩行者や他の車に注意がいかないことがある、車庫入れのとき、塀や壁をこすることが増えたなど「若い頃とちょっと違うな」「おかしいな」と感じたら、自主返納を考える時期です。 免許を返納しても、免許証とほぼ同じデザインの運転経歴証明書の交付を受けて所持していれば、タクシー、バス、美術館、飲食店の料金割引や、金融機関の利息特典などが受けられます。 「免許があれば身分証明書がわりになる。実際に運転さえしなければ、免許を持っていても問題はない」と考えるかもしれません。しかし、免許証を持っていて運転しないのと、免許を自主返納するのとでは、決意の強さが格段に違います。
バスや電車で、あるいは徒歩で、時間をかけてでも、自分の足で歩いてみるのを新しい習慣にする決意をしてみませんか? そこにも、新たな喜びや発見があるものです。
名取 芳彦 :元結不動 密蔵院住職、作家