救助犬が男性2名を発見!台風10号の被災現場に出動した「捜索救助犬」 公的な支援も補償もない民間ボランティア団体に頼る「災害大国・日本」の現実
令和6年8月27日の夜22時頃、愛知県蒲郡市竹谷町にて、台風10号の大雨で土砂崩れが発生。家族5人が暮らす住宅1棟が巻き込まれる災害が発生した。 【動画】土砂崩れ現場で、埋もれた人の気配を吠えて知らせた犬の様子 これを受け、愛知県豊橋市にて発足した捜索救助犬活動チーム「HDS K9(エイチディーエス ケーナイン)」が、蒲郡市役所危機管理課の要請によりメンバー5名、救助犬2頭と共に被災地に向けて出動。チームに所属する捜索救助犬、ベルジアン・シェパード・マリノアのオス、リッターくんと、ラブラドール・レトリーバーのオス、スーくんが行方不明だった男性2名の発見に貢献した。 「大雨の中がんばったね」 そんなつぶやきと共に、捜索救助犬 HDSK9_応援アカウント(@HDSK9_V)さんがX(旧Twitter)に投稿した、雨と泥で汚れたマリノアのリッターくんの誇らしげな様子に、多くの称賛と感謝のコメントが寄せられた。
「君たちがいたから、見つけてあげられた」
「ありがとうね!本当にありがとう!」 「君たちがいなかったら、探し出せなかった。ありがとう」 「人間以上に蒸し暑くて疲れたよね。本当に本当にお疲れ様でした」 「テレビを見ていたらリアルタイムで犬さまが写っていて、すごく胸を打たれました。土砂の中、夢中で探している姿、とても立派でした。ご苦労さま!君たちは素晴らしいです!ありがとう」 リッターくんとスーくんが所属する捜索救助犬活動チーム「HDS K9」は、2024年1月1日発生の「令和6年能登半島地震」の捜索救助にも出動。ドイツ語で「騎士」を意味する名前を持つリッターくんは、珠洲市内の倒壊現場でも行方不明者1名を発見している。
2頭が同じ場所で「アラート」→行方不明者2名を発見
「HDS K9」さんに伺ったところ、今回は「HDS K9」さんの方から蒲郡市に捜索救助を申し出たという。 「蒲郡市の承諾を得た後、8月28日の深夜1:50頃、現地に向けて出発しました。午前2時20分頃、蒲郡市役所に到着。午前3時10分頃、警察の先導で現場に到着。指示が出るまで待機した後、午前4時頃に捜索開始。マリノアのリッターとゴールデンのスーの2頭が同じ場所付近でアラート(※吠えて知らせること)したため、指揮本部に報告して待機。70代男性と30代男性の2名が発見・救助されました」(捜索救助犬「HDS K9」さん) 「HDS K9」のハンドラーさんと捜索救助犬が現地に到着する前に、被災現場から怪我をした女性3名が無事に発見・救助されたことから、現場では残り2名の行方を、救助隊の方々が懸命に捜索していた。そして、現場に到着したリッターくんとスーくんがほぼ同じ場所でアラートしたため、発見・救助が実現したという。 「残念ながら、今回はお亡くなりになられていた方2名の発見となりました。亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族さまには心よりお悔やみ申し上げます。ネットを通じてたくさんの方々に労いのお言葉やお気遣いをいただき、恐縮するとともに大変ありがたく思っております」(捜索救助犬「HDS K9」さん) ※「捜索救助犬とは」 「不特定な行方不明者を捜すように訓練をしている犬です。 捜す対象のニオイの元となる『原臭』は不要で、空気中に漂うわずかなヒトのニオイ(体臭、呼気や細胞片などのニオイとも言われます)を辿って捜します。 犬の優れた臭覚・聴覚を活かし、地震や台風などの自然災害により壊れた家屋の瓦礫に埋もれた人や狭隘(きょうあい)空間に閉じ込められた人・土砂に埋もれた人、道に迷ってしまった人など、救助を必要としている人を捜すことが可能です」(捜索救助犬「HDS K9」公式HPより)