見えないところにも快眠の秘密あり!【40代・50代の睡眠改革】
ネムリノチカラ代表、快眠コンシェルジュのヨシダヨウコさんと「質の良い睡眠」を探求するOurAge連載「ニッポンマダムの睡眠改革 」。今回お話しいただいたのは、“換気”についてだ。 「今年の夏は暑かった。そのまま10月ですら真夏日が続くほど、日本は秋のない国になってしまったかのようですね。 一部の報道では『夏が暑かった分、冬は寒さが厳しい』と予想されているそうです。そうなるとなおのこと、秋が短くクーラーも暖房もいらない快適な気温の時期が短くなるという事になりますよね」
寝ている時に換気していますか?
「当然の事ですが、私たちは眠っている時も呼吸を続けています。酸素を吸って二酸化炭素を排出するわけです。そうなると寝室の中は一晩でどのくらい二酸化炭素が増えるのでしょうか? 家族2人が一晩寝室で過ごした場合、6~8時間の間に約0.2kgのCO2を排出すると言われています。普段のCO2濃度は800~1,000ppmほどですが、閉め切った寝室のCO2濃度は朝方に4,000ppmを超えることにもなるそうです(三菱電気調べ)。普段の4倍にもなれば、カラダになんらかの違和感を感じることもあるでしょう。 閉め切った空間ではこの濃度が徐々に高くなり、一般的にはCO2が1,000ppmを超えると、頭痛や眠気、集中力の低下などの影響が徐々に現れることがあるようです。一晩、空調の効いた寝室で眠ったのに疲れが取れない、なんだか頭が重いなどの不調を感じた場合は、もしかすると換気不足が原因かもしれません。 特に夏の暑い時、冬の寒い時はエアコンを起動しているため、窓を開けることが出来ません。さらに防犯上、窓を開けて眠ることが無理なご家庭もあると思います。それなら空気清浄機をエアコンと同時に使えばいいと思うかもしれませんが、残念ながら空気清浄機は換気の役目は果たしません。空気を綺麗にはしますが二酸化炭素を除去することはできないのです。 そうなると寝室の窓を少し開けておく、またはドアを開けておくなどの方法が必要になります。これから家を建てる方であれば、眠りの質のために空気が循環できる装置を寝室にも取り入れていただくと良いでしょう。 これから冬になれば寒さから窓を一日中開けない。そんな時もあるかもしれません。換気は自ら気をつけていないとできません。換気とは『気を換える』ことにもつながります。フレッシュな『気』をたくさん取り込んで、元気、やる気になって、そして夜は英気を養うために、しっかりと眠れる環境を作ってくださいね。では、今宵も良い眠りを」
【話してくれたのは】 ヨシダヨウコさん ネムリノチカラ代表。快眠コンシェルジュ。日本睡眠学会正会員。寝具店の娘として生まれ、心地よい睡眠を幼児期より体験するが、社会人になりたての頃、働きすぎで体調を崩す。また、実母の介護生活からも睡眠の重要性を再認識する。 漢方、発酵食、アロマ、呼吸、瞑想、ストレッチなどを取り入れ、日々「質の良い睡眠」を探求しながら、各方面へ発信中。代表を務めるネムリノチカラでは、企業の健康経営セミナーや個人の睡眠相談に応じるなど、睡眠全般についてのサポートを行っている。著書に『眠りのチカラ タイプ別睡眠改善&リッチ睡眠TIPS 101』(みらいパブリッシング)がある。