ブラッスリーノットのタップテイクオーバーで代表の植竹大海さんに会った(前編)
酔いどれ編集長のクラフトビール飲みある記(102) 僕がよく利用しているクラフトビアマーケット(CBM)大手町店で「ブラッスリーノット」のタップテイクオーバーがあると知ったのは、開催の2週間ほど前だった。タップテイクオーバーとは、特定のブルワリー(醸造所)のビールを多数出すイベントのこと。テイクオーバー(takeover)に「乗っ取る」という意味があり、お店のタップ(ビールサーバーの注ぎ口)をひとつのブルワリーが乗っ取るからそう言われるらしい。 CBM大手町店の店長、さっちゃんによると、大手町店のスタッフ(屋代さんという方だそうだ)がブラッスリーノットに就職したという縁で開催することになったとか。その元スタッフの人がイベント当日に来るのか尋ねると、元スタッフは来ないがブラッスリーノットの代表が来るという。 イベントの日に代表を取材したい旨を伝えると、「そういえば、京都醸造のタップテイクオーバーのときも連載で扱ってくれたみたいですね」とさっちゃん。連載(83)のことだが、このときは取材の申し込みはせず、飲んだビールの感想をつづっただけだ。どうしてさっちゃんは知っているのか? 「お客さんが(サイトを)見せてくれたから」。カウンターを指さして「ここから撮った写真でしたよね」。まさにそこで撮ったものをサイトに載せた。思えば、クレジットカードで支払えば僕の名前はわかる。「酔いどれ編集長のクラフトビール飲みある記」の著者がCBM大手町店に飲みに来る「鈴木さん」だと気付くのは訳ないことなのだろう。 「動画も撮るから」という口約束は、訳あって単独で取材することになって反故(ほご)にしたのはすごく申し訳ないが(取材&試飲しながら動画を撮るのは素人には無理だった。さっちゃん、ごめんなさい)、11月21日午後6時半過ぎ、ブラッスリーノットの代表である植竹大海(うえたけ・ひろみ)さんとお会いできた。 「遅くなってすみません」と、デイパックを背に恐縮しながら入ってきた植竹さんを見て、すぐに「いい人」だと思った。待ち構えていたお客さんから拍手されると、植竹さんは少し緊張したような表情で「ブラッスリーノットのタップテイクオーバーにお越しくださいましてありがとうございます。今までのタップテイクオーバーで最も多い14種類を開栓しています。定番だけでなく、もう他では飲めない限定のビールもありますので、皆さんお楽しみいただけたら幸いです」とあいさつ。人の良さがにじみ出ていた。