女性は「もれやすい」男性は「出にくい」尿トラブルの傾向が男女で異なる理由とは?専門医が泌尿器の仕組みを解説
◆「もれやすい」のが女性 女性に多く現れるのが、お腹に力が入ると尿がもれてしまう症状です。笑ったり咳をしたり、くしゃみをしたりするときに、その勢いで尿が少し出てしまうのです。男性でこのようにもれてしまう人は、あまりいません。 紙おむつなどを作っている大手のメーカーが20~60代の女性約4万人を対象に調べたところ、どの世代でも「約6割の人が尿もれを経験している」ことがわかりました。 特にお子さんを産んだ女性の半数は、30代で咳やくしゃみがきっかけの尿もれを経験しています。 出産した女性は「骨盤底筋」という筋肉が緩んで、尿を我慢することが難しくなっているからです。 出産経験がない、あっても帝王切開だった女性は、経腟分娩をした女性に比べると尿もれは少ないのです。
◆「出にくい」のが男性 男性の前立腺は年齢とともに大きくなって尿道を圧迫するので、だんだん尿が出にくくなります。まるでホースが細くなって、水が通りにくいような状態です。 「前立腺肥大症です」と診断されるまでになると、尿道は本当に狭くなっているので、尿を出し切ったつもりでも実際には膀胱に残っていることがあります。これが「残尿」です。 また、年をとると膀胱が過敏になるせいで、尿が十分にたまっていなくても勝手に縮み始めるという現象が起こります。膀胱がそうなってしまうと、“ちょいもれ”ということも起きます。 それだけではなく、尿を出し終わった後に、少しではありますがジワッと尿がもれ出ることもあります。この症状は、たいてい40代から現れます。 ズボンにシミをつけてしまった、という人もいるかもしれません。 ※本稿は、『頻尿・尿もれ 自力でできるリセット法』(アスコム)の一部を再編集したものです。
高橋悟