「朝が弱い」「疲れやすい」「やる気が出ない」は、脳が覚醒していないからかも?脳のスペシャリストが教える「脳の朝活」おすすめ習慣
◆人には8つの「脳番地」がある 「脳の朝活」を実践するときに重要なのが、「脳番地」という概念。私たちの脳には1000億個を超える神経細胞が存在し、同じ働きをする細胞同士が互いに集まっています。私はそれらを「脳番地」と名づけ、機能ごとに運動系、視覚系、聴覚系、伝達系、思考系、理解系、記憶系、感情系の8つに分けました。 「脳の朝活」では、刺激を与える順番が重要です。起き抜けのボンヤリした状態でも刺激できる番地から始めてください。 まずは運動系脳番地を刺激して目覚めを促しましょう。就寝中に固まった筋肉や関節をストレッチなどでほぐすことで、脳も働く準備が整ってきます。 次に視覚系や聴覚系など、周囲の情報を取り込むインプット系の脳番地を刺激して、見たもの・聞いたものが脳にしっかり入る状態にします。続いて、伝達系、思考系、理解系といった、自分から情報を発信したり、表現したりするアウトプット系の脳番地を刺激しましょう。 記憶系脳番地の刺激には、過去を振り返ること、新しい計画をすることの2つを行うのが重要です。感情系脳番地は、笑ったり泣いたりと感情を表すことで刺激されます。できれば朝からネガティブなことではなく、わくわくとポジティブな気持ちになれることを考えるとよいでしょう。 8つの脳番地をまんべんなく刺激していくと、次の日も「同じような経験がしたい」と脳が期待するようになり、活性化するのです。 後編に、「脳の朝活」におすすめの習慣を10項目挙げました。すべての習慣をいきなり実践するのは難しいので、抜けたりするものがあってもかまいません。毎朝できそうなもの、やってみたいと思うものから始めてみて、最終的にはすべての脳番地を順番に活性化させるのが目標です。 (構成=山田真理)
加藤俊徳
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