泥酔した女性と「性的同意」はできるのか。職場で起きた地獄の体験
酩酊している相手に「同意」を取れるのか
Bさんはその後、部署を異動させてもらい、そのチームの仕事から離れたそうです。彼女が大好きだった現場も、Cさんが奪ったことにならないでしょうか。 Bさんが誰にも言えずにいた体験を共有してくれたのは、今回の検事正の事件に強い疑問を抱いたからだと言います。 「『同意があると思っていた』という北川被告は、酩酊して判断能力がなかったと思われる女性検事に対し、どのように『同意がある』と確信するに至ったのでしょう。私はCさんから同意の確認をされていないし、同意の確認があったかどうかわからないほど意識はなかったんです。あの女性の検事も同様だったのではないかと思い、あの会見に涙が止まりませんでした」(Bさん) CさんはもしBさんが告発したら「同意のある性交だった」と言うのでしょうか。 泥酔した相手にどのように「性的同意」を取るのでしょうか。「同意があると思った」とどのような経緯をして確信に至るのでしょうか。 女性の検事は、12月11日の会見でこのように語っていました。 「性犯罪事件においてどのように主張すれば逮捕や起訴を免れやすいか、無罪判決を得やすいかを熟知した検察のトップにいた元検事正が、主張を二転三転させて被害者を翻弄し、世に蔓延する『同意があったと思っていた』などという姑息な主張をして無罪を争うことが、私だけでなく、今まさに性犯罪被害に苦しんでいる方々をどれほどの恐怖や絶望に陥れ、被害申告することを恐れさせているか。性犯罪の撲滅を阻害し、むしろ助長させることになるかを知ってもらいたかったからです」 検事正という検察のトップだった方が、性犯罪の撲滅を目指してくださることを、心から願っています。 文・FRaUweb 新町真弓
FRaU編集部