英中銀、金利据え置き8対1で決定-緩やかな緩和の方針表明
(ブルームバーグ): イングランド銀行(英中央銀行)は19日、政策金利を5.00%で据え置くと発表するとともに、金融緩和を急がない考えを示した。同時に、バランスシートの縮小ペースを維持することも決定した。
金融政策委員会(MPC)は今回の据え置きを8対1で決定した。決定はエコノミストと市場の予想通りだったが、ポンドはドルに対し2022年3月以来の高値に上昇した。
ベイリー総裁は「時間をかけて徐々に金利を引き下げることが可能なはずだ」と述べ、そのような金利軌道は物価圧力が引き続き弱まることが前提だと強調した。「インフレ率を低水準に維持することが極めて重要であるため、あまりにも急速に、あるいはあまりにも大幅に引き下げないよう注意する必要がある」と主張した。
中銀が今後の緩和に慎重な姿勢を示したことで、年末に向けて利下げペースが速まるという市場の期待は後退した。会合前に投資家は、11月から連続で利下げが決定されるとの予想を強めていたが、MPCは次回会合での利下げを明示することはなかった。
短期金融市場では、年内の利下げ幅に関する予想が後退し、12月末までに41ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)と、政策決定前の50bpから縮小した。英国債は下落し、10年物利回りは3bp上昇の3.88%、2年物は2bp上昇の3.92%となった。
ポンドが上げ拡大、対ドルで2022年3月以来の高値-英中銀政策発表後
UBSグローバル・ウェルス・マネジメントの欧州チーフエコノミスト、ディーン・ターナー氏は「金利据え置きの決定は、中銀が利下げサイクルについて慎重なアプローチを取るという当行のかねてからの見解に一致している。経済にストレスの兆候がほとんど見られないことを踏まえると、政策当局には時間的な余裕がある」とコメント。同氏は11月に2回目の利下げが行われると予想している。
英中銀の政策判断は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の0.5ポイント利下げの後に発表されたが、FOMCの政策発表前にMPCは独自に判断を下した。