師走であることを忘れて没頭したい3冊。
『漫才過剰考察』 令和ロマン・髙比良くるま(著)
群雄割拠の現代漫才界をリードする令和ロマンの髙比良くるまさんが、M-1と漫才を完全考察したのがこちら。漫才なる変幻自在なパフォーマンスを「過剰」に言語化した上で、体に落とし込んでアップデートせんとするその姿勢は、どこかラップ界におけるR指定を彷彿とさせる。今年のM-1前に必読だ。 12月はこんな本を読もうかな。
『霊的最前線に立て! オカルト・アンダーグラウンド全史』 武田崇元、横山茂雄(著)
オカルト・ブームの立役者にしてスピリチュアル業界の影の支配者である武田崇元と、学術的オカルト研究の先駆者である横山茂が、オカルトの全歴史を語り尽くした対談集。ページをめくるごとに目に飛び込んでくる必殺技のごとき謎めいた固有名詞の数々と、ココとココの文脈が繋がっていたのかという衝撃は、ジャンプのバトル漫画を読んでいるようなゾクゾク感。
『スクリーンのなかの障害 わかりあうことが隠すもの』 塙幸枝(著)
映画において「障害者」はいかにして描かれてきたのか? を『エレファント・マン』や『フォレスト・ガンプ/一期一会』といった古典的名作から、『コーダ あいのうた』など近年の作品までを通して分析すると同時に、社会における「障害観」の変化をも見通す一冊。本書を読むべき理由は、中で取り上げられる『ケイコ 目を澄ませて』の三宅唱監督が寄せた帯文が全てを物語っている。『「映画について」ではなく「映画とともに」、私たちのいまを考え続けるために、この本はある』。 text: Keisuke Kagiwada
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