なぜ秀岳館高校は問題を起こしたサッカー部の段原監督を厳重処分せずに本人は現職にしがみつこうとしているのか?
5日の記者会見で最終的な処分を問われた渡部教頭はこう語っていた。 「刑事処分の結果を踏まえて決めたいと考えています」 問題の30代コーチは4月25日に暴行容疑で書類送検されている。暴行を受けた部員から被害届は提出されていないが、ネット上で拡散された動画を問題視した八代署が任意で事情聴取を開始。コーチ自身は送検される前に退職願を出したものの、それを預かった学校側は検察の判断を待って最終的な処分を決めるとしている。 警察案件とあって、段原監督が何を聴取されたのかは学校側も把握していない。白井教頭も「大変申し訳ないけど、われわれも『ただ調べたい』と言われただけなので、詳細は警察で聞かれた方がいいと思います」と語るに留めている。 しかし、あからさまな暴力行為が映像証拠として残っていた当該コーチとは異なり、謝罪動画の撮影および公開や、あるいは音声データが録音されたミーティングの席で、段原監督が暴力行為を振るったとされる情報は現時点でない。 キャプテンを筆頭に暴行を受けた部員、動画を撮影した部員、それをネット上へ投稿した部員ら11人が非は自分たちにあると謝罪。さらに部内で暴力が常態化している、とする報道を否定した動画は当初、部員たちの自発的な行動だと説明された。 しかし、生徒たちへのアンケート調査で段原監督の関与が判明。動画の内容やポイントに関してさまざまなやり取りがあったなかで、同監督は「悪いことをしているのではないのだから、マスクを取って撮り直した方がいい」と助言している。 長期にわたって指導してきた段原監督の絶対的な立場を考えれば、部員たちは助言を強要と受け止める。ネット上で顔と実名をさらす将来的なリスクを「考えていなかった」と記者会見で無責任にも語った段原監督は、動画の存在を「ネット上へ投稿されて初めて知った」と嘘をついていた点に対しても不可解な弁明に終始した。 「僕があらかじめ知っていたらいけないと思ってそう回答した。生徒たちを尊重して賛同したことがすべてであり、隠していたわけではない」