「名誉毀損だけでなく脅迫容疑でも…」NHK党・立花孝志党首を狙う「警察の本気度」
「派手に動きすぎた。さすがに今回は……」 そう語るのは全国紙社会部記者だ。 兵庫県知事選で再選した斎藤元彦知事以上に目立っていたのが、『NHKから国民を守る党(NHK党)』の立花孝志代表だ。 【写真あり】立花孝志氏 青山のクラブで美女に囲まれウハウハの夜 「当選するつもりはない」 と述べ、県知事選に立候補。斎藤知事の再選を 「アシストした」 と豪語している。 ネット世論が下馬評を覆した選挙結果に同氏はご満悦。選挙期間中に斎藤氏を糾弾した22人の市長に対し“報復”を宣言し、まず手始めに来年4月に行われる宝塚市と伊丹市の市長選に“刺客”を立てると明らかにしている。 ◆「引きこもってないで家から出てこい」 「立花氏は注目が集まれば集まるほどハイになっていく人。斎藤知事が再選した時は、そりゃあもうすごかった(笑)。頭の中に新たな“仕掛け”が次々と降ってきたようで、親しい記者に速射砲のようにプランを明かしていた」(ワイドショー関係者) しかし、今回は少々やりすぎたようだ。 百条委員会で委員長を務める奥谷謙一県議が11月18日に記者会見を行い、NHK党の立花氏が自宅兼事務所前で行った街頭演説で脅迫されたと述べ、名誉毀損等で刑事告訴すると明らかにした。奥谷氏によれば、立花氏は演説の中で 「引きこもってないで家から出てこい」 「これ以上脅して奥谷が自死しても困るので、これくらいにしておく」 などと発言。立花氏は 「正当な選挙活動」 と主張し、奥谷氏を逆に名誉毀損疑いで提訴すると明言したが、奥谷氏は 「自ら脅迫目的でこの行為をやっているということを、自ら仰っているということであります」 と反論。実母は恐怖のあまり、自宅から一時避難していたという。 こうした奥谷氏の動きに呼応するのが、捜査当局だ。かねて立花氏に狙いを定めていた捜査員もおり、鼻息は荒い。 「NHK党の“お家騒動”の時、立花氏の周りのカネの流れを調べたが、立件は厳しいと判断された。立花氏は頭がキレる。法的にギリギリのところでかわしている印象だ」 とは警察OBだ。 例えば、知事選に出馬して斎藤氏を応援した行為自体に、立憲民主党の小西洋之議員は 「他候補が別候補の当選のために選挙活動を行うことは公選法に違反するのではないか?」 と問題提起したが、立花氏はそうくることを想定して、演説では 「斎藤知事に一票入れてください」 と“直接的な表現”は用いず 「これでいいんですか?」 という言い回しをしていた。 ◆奥谷氏の刑事告訴を受理して とはいえ、法の抜け道を熟知した“モラルなき選挙戦”は当局や政界関係者も“どうにかしなければならない”という危機感を以前から持っている。 直近では立花氏自身が来年1月の兵庫・南あわじ市長選への出馬を正式表明。現時点でほかに立候補者はおらず、同氏は11月20日投稿のXで 《南あわじ市 市長選挙 今のところ、立候補予定者1人だけやん! 前回も、前々回も、立候補1人で選挙無かったから、今回も選挙なしで当選出来ないかな? でも、南あわじ市の有権者は投票したいよね》 と得意げにつづっている。 同氏は7月投開票の東京都知事選でも24人の候補者を擁立し、ポスター掲示板をジャック。広告ビジネスを展開し物議を醸した。 4月の衆院選補欠選挙では、『つばさの党』黒川敦彦代表らが他候補の選挙活動を妨害し逮捕、起訴されたが、同氏もまたNHK党出身者だ。前出の警察OBが憤る。 「ここ数年で選挙が『劣化』したのは立花氏の存在が大きい。法律を変えるにはまだ時間がかかる。当局としては、奥谷氏の刑事告訴を受理し、名誉毀損だけでなく、脅迫容疑でも捜査を行いたい。立花氏も当局の動きを察知しており、『不当逮捕もあるかもしれない』とこぼしているそうだ」 兵庫県知事選が終わっても混乱は一向に収まらない――。
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