新トレンド“カウボーイ・コア”の実態 ビヨンセの新アルバムやファレルの「ルイ・ヴィトン」など多様化するウエスタン文化
「ディンゴ(DINGO)」は、Z世代の消費者も視野に入れている。「私たちのブーツは、履き心地の良さを追求したものなので、ウエスタンというよりはファッション。若い女性たちはトレンドかもしれないが、スニーカーやビーチサンダルで育った35歳以下の女性たちにハードなブーツを履いてもらうのは現実的ではないと思う」とオーウェンスは語った。
2024年の見通し
23年末、複数のアパレル小売会社は“カウボーイ・コア”が下火になったと報告した。サーカナ社は、昨年のアメリカでのブーツの売り上げが8%減少したと指摘。また、ブートバーンは第3四半期に予想以上の伸び悩みを報告し、通年の売上見通しを下方修正した。
しかしその後、新たな潮流が到来し24年のファッションの展望が変わった。 「ビヨンセがカントリーミュージックを取り入れたり、ファレルが『ルイ・ヴィトン』でカウボーイにインスパイアされたテーマを探求したりした。影響力のある人物を目の当たりにすることで、ウエスタンウエアのトレンドは単なる一瞬の出来事ではなく、進化していくムーブメントであると確証した」とジュントーリは語る。「グローバル化した世界を反映し、ストリートウエアやハイファッション、ワールドワイドなスタイルとウエスタン要素の融合が増えるでしょう」。と、“カウボーイ・コア”のこれからに前向きだ。
「ブート・バーン」のニコルもまた、ウエスタンと他の要素の融合に期待している。「ファッションやポップカルチャーのスタイルアイコンがウエスタンのルーツに傾倒していくにつれて、ファッションは新たな市場を拡大する。それにより、カウボーイ文化に光が当たり、より西部の世界が注目されるだろう」と語った。