アレルギーなどでイクラが食べられない人に朗報!植物生まれの「イクラちゃん」クラファンプロジェクトが始動
熊本県水俣市の「エシカルプロダクツ株式会社」(以下「エシカルプロダクツ」)では、既存の人工イクラとは一線を画す、プラントベース(動物性原料不使用)の「イクラちゃん」を開発。2024年8月26日より、クラウドファンディングプラットフォーム「CAMPFIRE」にてプロジェクトを開始した。プロジェクト期間は2024年9月30日(月)まで。 【写真】「イクラちゃん」を使用した軍艦巻き。プラントベースとは思えない仕上がりで、見た目にも味にも自信あり! ■食べたくても食べられない人へ 今回のプロジェクトで登場した「イクラちゃん」は、“スフェリフィケーション”(※1)という、粒状食品の調理技術を応用して開発された、イクラを模したプラントベースの代替食品。 「醤油漬け」「塩漬け」の2種類を用意し、まるでイクラそのもののような見た目や食感が楽しめるという。 ■「イクラちゃん」3つの配慮とは ■食の多様性(フードダイバーシティ)への配慮 健康上の理由や食ポリシーといった事情から、イクラを食べたくても食べられない人もいる。そこで、エシカルプロダクツでは食事に制約のある人も、そして食事に制約のある人と食を共にする人たちにも、おいしく一緒に食べてもらいたいという想いから「イクラちゃん」を作り上げた。見た目や食感、味にもしっかりとこだわった食品に仕上がっている。 特にこんな人に知ってほしい! (1)アレルギー、痛風など疾患のある人 (2)ビーガン、信仰などによる食ポリシーのある人 (3)妊娠中など一時的な食制限のある人 (4)コレステロールやプリン体の摂取に配慮している人 (5)生態系や環境保護などに配慮している人 (6)1~5のような制限を抱える人と食事を共にする人たち (7)アニサキス症が心配な人 (8)インバウンド対応やアレルギー対応が必要な飲食関係事業者 (9)食材を扱う商社、問屋、貿易会社 ■健康への配慮 従来、プラントベースの代替食品は植物性原料への置き換えに留まるケースが多いという。そんななか、「イクラちゃん」は健康面にも配慮した商品設計。次世代型プラントベースフードとして以下の項目をクリアしており、より多くの人に安心して食べてもらえる工夫が施されている。 ・コレステロールゼロ ・プリン体ゼロ ・1日分のオメガ3脂肪酸(※2)の摂取が可能 ・アレルギー配慮(醤油漬けタイプ:大豆・小麦が該当/塩漬けタイプ:28品目すべて不使用) ■流通、保存性への配慮 一般的に、スフェリフィケーションの際に用いる原料には、塩や酸に対する耐性が弱いというデメリットがあるのだそう。皮膜がもろくなりやすいため、長期保存可能な加工食品として流通させるのは難しいと言われてきた。 そこでエシカルプロダクツでは、そうしたデメリットを克服する新製法を開発。見た目や食感、おいしさはもちろん、保存性が高く流通も容易な商品を作り上げることに成功したという。現在、国内の人工イクラの多くは要冷蔵品で賞味期限も1~2カ月、長くとも9カ月程度のものがほとんど。その点「イクラちゃん」は流通、保存性において頭ひとつ抜けている存在だと言えるだろう。 [流通、保存性へのこだわり] ・賞味期限1年を確保することで国内外への流通が可能に ・常温保存、流通を可能とすることで輸送コストやCO2を削減 ・ポスト投函可能なパッケージサイズにすることで通販の送料負担を軽減 ・ゴミ処理のしやすさ、リサイクルなどを考慮した包材選定 ■「イクラちゃん」プロジェクトについて 今回のプロジェクトの背景について、エシカルプロダクツは以下のようなメッセージを発信している。 「魚介類アレルギー患者のご家族からの相談をきっかけに開発をはじめました『イクラちゃん』ですが、アレルギー疾患の方以外にも、痛風などの疾患のある方、妊娠中の方、宗教やビーガンなどのポリシーのある方、生態系・環境へ配慮されている方など『魚介類が食べたくても食べられない人』という広い視点で見ると、さまざまな要因で食事に制約を持つ方がいます」 「さらに昨今、在住外国人・訪日外国人の増加もあり、多様化する“食”へのニーズは年々高まりつつあると考えます。また、温暖化などの環境問題とともに『買いたくても買えない』といった食糧危機に関しても問題視されており、代替食品への注目も高まっています」 「このような状況下で、それぞれが抱える事情や大切にしている価値観にしっかりと寄り添い、食事に制約のある方やそのまわりの方が一緒においしく食べられるものとして、これまでになかった新しい選択肢のひとつとして『イクラちゃん』をより多くの方に届けるため、本プロジェクトを立ち上げました」 [リターンについて] 「イクラちゃん1個お届けコース」(3000円)ほか、イクラちゃんの元となった「プチル」(無味無臭の創作料理用粒状食品)も含めて、さまざまなリターンコースが用意されている。 ■エシカルプロダクツについて 熊本県水俣市の柑橘農園から生まれたスピンアウトカンパニー。有機農園の「人と環境にやさしいものづくりをおこなう」という基本姿勢はしっかり受け継ぎつつ、「柑橘」という枠を飛び越え、“事業活動を通して 世界中の人たちがよりよく生きられる社会を創造する”ために、現代社会のさまざまな課題によりそった商品の開発や販売に地道に取り組む。 今回の商品およびクラウドファンディングについて、担当者に話を聞いてみた。 ーー今回のクラファンの狙いは? 次世代型プラントベースフード「イクラちゃん」について、世間の認知を広げ、困っている人や必要としている人に情報が届くようにしたいと思っています。同時に、「食べたいけど食べられない」そんな状況にある世界中の人たちの日常に希望を届けていくために、私たちはこれまで自費で開発資金を投じてきましたが、共感いただいた皆様に支えていただきながら、最低限の設備の増強と原料資材のストックをするための費用の一部にあてさせていただきたいと思っています。 ーー1種類だけでなく、2種類の商品を開発した経緯は。 食の制限を抱える理由は多様ではありますが、できるだけ多くの人が食べられるよう、「醤油漬け」「塩漬け」の2タイプをラインナップしました。醤油漬けは小麦や大豆アレルギーには該当してしまうものの、塩漬けに関してはアレルギー28品目をすべてクリア。また、どちらにもアルコールは使用しておらず、原料的にはハラルにも対応できています。コレステロールやプリン体もゼロであるため、痛風など健康数値を気にする人たちにも安心して食べていただける商品に仕上げることができました。 ーー味へのこだわりポイントは。 調味液を作っては、本物のイクラと味比べをしながら試作を重ねました。動物性原料を使わずに魚介系の味わいを作るのは困難でもあるため、できる限りイクラに寄せつつ、しかしそこにこだわりすぎることなく、軍艦巻きやちらし寿司など、実際の食べるシーンでおいしく食べられるかどうかに重点を置いて開発したことで、テストマーケティングの段階で味について高評価を得ることができました。 ーー見た目へのこだわりポイントは。 イクラのように赤の色付けをする際に天然色素を使用したいと考え、いくつもの素材で試作したものの、色味が違ったり(紫蘇系の赤)、原料の味がしてしまったり(赤ダイコンなど)、加熱すると色が退色してしまったり、海外では承認されていなかったりとさまざまな壁があったため、ベータカロテン色素をベースに合成の赤色色素を微量使用することで再現に成功しました。 ーーユーザーへのメッセージをお願いします。 食べたいものが食べられないという日常から多くの人を救っていけるように、少しでも世界がよりよい場所となるように、クラウドファンディングのご支援はもちろん、情報発信・提供など、皆様にとって無理のない範囲で、あらゆる形で応援・ご支援いただけますと幸いです。 イクラを食べたがっているけれど、食べられなくて残念に思っている…という人の顔が思い浮かんだら、ぜひ、今回のプロジェクトの情報をシェアしてみてはいかがだろうか。 (※1)スフェリフィケーション:日本で生まれたゼリー状の被膜で覆う調理技法 (※2)オメガ3脂肪酸:生活習慣の予防や、体内への脂肪蓄積抑制効果があると示唆されている物質 ※記事内の価格は特に記載がない場合はサービス料・税込み表示です。商品・サービスによって軽減税率の対象となり、表示価格と異なる場合があります。