JALの新パートナー! インド最強LCC「インディゴ」が、自国でシェア60%を誇る3つの理由
厳しい規制下で生き残る強さ
2024年12月、日本航空は日本とインドを結ぶ路線で、インドの格安航空会社(LCC)・インディゴ(IndiGO)とのコードシェアを開始した。 【画像】「すげぇぇぇぇ!」 これが空運業界の「年収ランキング」です! 画像で見る(9枚) コードシェアとは、複数の航空会社が同じ便を共同で運航する仕組みを指す。この提携により、インディゴが多くのインド国内路線を持つため、インドから日本へのインバウンドや、日本からインドへのビジネス需要を取り込むことが容易になったといえる。 ただ、インディゴについて「どんな会社?」と思う人もいるかもしれない。日本にはまだ就航しておらず、国際線の数も少ないため、日本ではあまり知られていない。しかし、インディゴはインド国内でシェア6割を誇る最大手航空会社だ。 インドは市場規模が大きい一方で、航空業界に対する規制が厳しく、過去にはシェア1位だった航空会社を含む多くの会社が倒産している。それでもインディゴは強さを発揮し、業界で生き残り続けている。今回は、その強みについて解説しよう。
強みと市場シェア
インディゴは2006年に、在米インド人の大富豪とインドの企業によって設立された。 設立当初から豊富な資金力を背景に、100機のエアバスA320を注文するなど、積極的に路線を拡大していった。格安運賃と時間に対する正確さへのこだわりで人気を集め、飛行機に乗る機会がなかった人々から支持され、急成長を遂げた。この成功の理由は後述する。 インディゴは、国営のエアインディアや先行して市場に参入していたキングフィッシャー航空、ジェットエアウェイズを抜き、2012年にはシェアトップに立った。2024年現在、インディゴは390機以上の航空機を保有し、インド国内89都市、国外34都市に就航している。 ほとんどの機種がエアバスA320シリーズであるため、国際線は中東や東南アジアを中心に小型機で運航されているが、それでも国内線のシェアは60%を超えている。 2024年3月締めの1年間のEBITDARはおよそ1754億ルピー(約3085億円)となり、ANAの2025年のEBITDA目標値(約3185億円)とほぼ同じ数字となっている。EBITDARとは、利息、税金、減価償却費、償却費、賃貸料を差し引く前の利益を示す指標だ。つまり、企業が本業で得た利益から、これらの費用を除いた額を表している。この指標を使うことで、企業の本業の収益力を把握することができる。 設立から20年足らずで、大手航空会社と並ぶ売上を達成したインディゴは、インド最強の航空会社としての地位を確立している。