時短勤務なのに「残業」が命じられました。子どものお迎えもあるので「拒否」することは可能でしょうか…?
子どもが生まれてから職場復帰する人の中には、時短勤務で通常の定時とは違った時間帯で働く人も少なくありません。例えば、保育園への送り迎えのために、出勤を1時間遅らせ、退勤を1時間早くするなどです。残業すると子どもを迎えに行くのに間に合わない場合、残業を拒否するのは可能なのでしょうか? 本記事では、時短勤務で残業拒否が可能かどうか解説するので、気になる人は参考にしてみてください。 ▼扶養内で働いてるけど、労働時間が「週20時間」を越えてしまった!「社会保険」に加入する必要はある?
育児・介護休業法第12条で所定外労働の免除は認められている
子どもが生まれてすぐの人は育児・介護休業法第12条にも基づいて、育児のための所定外労働時間の免除の申出が可能です。 現行制度では子どもが3歳になるまでですが、仕事と子育ての両立を支援するために2025年4月からは小学校入学前までに拡充が予定されています。所定外労働時間の免除申請は法律で認められているため、申込書を決められた手続きで提出しましょう。 書式は厚生労働省から用意されていますが、具体的な提出方法などは会社の担当部署に相談しましょう。事業主は請求があった場合は、原則として対応が必要になります。例外として事業の正常な運営を妨げる場合は拒否できますが、事業の正常な運営を妨げる場合に該当するかは総合的な事情を総合的に考慮して客観的に判断されます。 ただし、時短勤務している労働者が時間的な余裕などがあって残業してもいいという場合は、残業をすることは問題ありません。それでも事業主はどれだけ残業させてもいいと考えるのではなく、どうしても必要なケースだけ残業を依頼するなど配慮しなければなりません。
所定外労働の免除対象になる条件について
所定時間労働の免除対象になる条件は2025年4月から一部改訂されますが、2024年4月現在の現行制度について理解するのは大切です。 条件に該当していないと所定外労働の免除対象にならないため、上司に直接相談して定時に帰らせてもらえるよう伝えるなどの対策が求められます。所定外労働の免除対象になる条件は、次のとおりです。 ・3歳に満たない子を養育する労働者であること(2025年4月に小学校入学前の子に拡充予定) ・日々雇用される者でないこと ・労使協定により適用除外とされた労働者(当該事業主に引き続き雇用された期間が1年未満の労働者、1週間の所定労働日数が2日以下の労働者など)でないこと これらに該当しないなら所定外労働時間の免除対象外になるため、正当な残業命令なら従う必要があるかもしれません。ほかにも、管理職は労働時間などに関する規定の適用除外とされており、所定外労働の免除対象外です。 ■子どもの年齢によっては労働基準法で残業拒否が認められている 労働基準法第66条で、妊娠・出産してから1年未満の人は時間外労働や休日出勤を使用者が命じることが禁止されています。時短勤務で働いている出産から1年以内の人は、子どもの育児を理由として残業拒否をすることは問題ありません。この状態で事業主や上司が強制的に残業させた場合、法律違反に該当する可能性も考えられます。 また、残業拒否を理由として不当な扱いをするのはハラスメントに該当するため、事業主は育児に対しての理解が重要です。
まとめ
時短勤務で働いているのに残業が命じられた場合、状況によっては所定外労働の免除に該当し残業拒否しても問題ありません。しかし、すべての人が所定外労働の免除に該当するわけではなく、一定の条件を満たす必要があります。所定外労働の免除は必要書類を会社に提出する必要があるため、忘れないように担当部署などに相談してください。 出典 厚生労働省 VI 所定外労働の免除関係 e-Gov法令検索 労働基準法 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部
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