逆転でゴルフ賞金王の金谷「今までで一番苦しい18ホール」 米ツアー出場権獲得にも貪欲
男子ゴルフの今季最終戦、日本シリーズJTカップ最終日は1日、東京よみうりCC(7002ヤード、パー70)で行われ、金谷(かなや)拓実が通算9アンダーで3位に食い込み、初めて賞金王に輝いた。 【写真】6年かけて“解禁”実現…短パン姿でプレーする石川遼 右手を大きく2度振ったガッツポーズに力がこもっていた。金谷が16番のバーディーに続き、17番(パー5)は2オンさせて10メートルのイーグルパットを沈めた瞬間だった。最終18番はボギーだったが、通算9アンダーで3位。最終戦で逆転し、初の賞金王に輝いた。 「今までで一番苦しい18ホール。長かった。広島から母も来ていたし、自分らしいプレーをする気持ちはありました」。母、美也子さんは乳がんを克服したばかり。親孝行にもなった。 大混戦の賞金王争い。上位6人にチャンスがあった中、賞金ランクでトップだった平田が17位に沈み、金谷が5位以上という条件をクリア。賞金ランク3位に甘んじた昨年、「中島選手と最後まで争った経験が生きた」。獲得賞金を1億1955万1222円に伸ばした。 内容が濃い1年だった。平均ストローク69・735など5部門で1位を獲得。「一日一日、少しずつ成長することを心掛けていたので結果に結びついてよかった」。賞金王の特典で来季の欧州ツアー参戦切符も得た。欧州経由では今年は久常涼、来年は星野陸也が米ツアーに昇格。海外志向が強い金谷には最高のご褒美である。 「そういうチャンスをもらえると思って、(この1年間)過ごしてました」。表彰式を終えると、来季の米ツアー出場権を決める2次予選会に挑戦するため、空港へ直行して渡米。どこまでも貪欲な金谷がいた。(清水満)