【選手権】「初国立準決勝」目指す第1試合と「名門校対決」の第2試合!準々決勝・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu会場見どころ
1月4日、第103回全国高校サッカー選手権の準々決勝4試合が首都圏内の2会場で行われる。ここではそのうち神奈川県川崎市・Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu会場での2試合について、みどころを紹介していきたい。 【フォトギャラリー】3回戦試合風景 まずは第1試合の明秀日立(茨城)vs東海大相模(神奈川)。3回戦では帝京(東京B)とのPK戦をGK1重松陽(3年)の見事なセーブで勝ち抜いた明秀日立。昨年度インターハイを初制覇位した原動力となった堅く守り、速く攻め抜くリズムが試合を重ねることに熟成されてきた。セットプレーなどでのキック精度には一日の長を見せながら、まだ今大会2試合ゴールなしのキャプテンのFW10竹花龍生(3年)が得点することがあれば、チームとして選手権初の準決勝進出、さらに第59回での古河一以来の茨城県勢44大会ぶりの選手権制覇も大きく近づいてくる。 対する東海大相模は地元の大声援にも推進力を得て、選手権初出場で2勝の快進撃。5得点の得点者がすべて異なることが物語るように、相手に的を絞らせない多彩な攻撃パターンを有している。その中でもロングスローの精度も高い左サイドバック5佐藤碧(3年)を起点とするサイド攻撃は強力。3回戦ではややサイドチェンジからのクロス守備に綻びが見えた明秀日立のウィークを突ければ、神奈川県勢悲願の選手権初制覇への入り口となる「初出場初国立」への扉を開ける可能性は、決して低くない。 続いて第2試合の静岡学園(静岡)vs東福岡(福岡)。高校サッカーの歴史を作り上げてきた名門校同士が、旗手怜央(スコントランド・セルティック所属)のゴールなどで静岡学園が3-0で東福岡を下した第93大会3回戦以来、選手権10大会ぶり3度目の対戦。5大会ぶり3度目の大会Vを目指す静岡学園は、3回戦の高川学園(山口)戦では前半こそ相手のアグレッシブさに苦しんだが、後半早々に高速カウンターからMF11加藤佑基(3年)のゴールで鮮やかに先制。試合を決める大会3試合連続ゴールを決めたMF11篠塚怜音(2年)と共に中盤から飛び出すタイミングが堅守を誇る相手を破るポイントとなるだろう。 対して9大会ぶり4度目の頂点獲得を目指す東福岡は、3回戦で阪南大高(大阪)をシュート0に封じ3試合連続クリーンシートを達成した堅守がクローズアップされがちだが、FW9伊波樹生(3年)の阪南大高戦決勝ゴールが象徴的な伝統のサイド攻撃も磨きがかかってきた印象。静岡学園もJ1川崎フロンターレ内定のキャプテン・右サイドバックの6野田裕人(3年)などサイドにも起点があるだけに、赤い彗星たちがサイドを制した場合は、試合を有利に展開できそうだ。 過去の選手権対戦成績は第74回大会準決勝では静岡学園が1-1からのPK戦を制するなど静岡学園の2勝であるが、今季のプレミアWESTでは東福岡が静岡学園に1-0、0-0のスコアで1勝1分とリードするなど両校の力はほぼ互角。はたして選手権では静岡学園の「2度あることは3度ある」なのか?それとも東福岡が「3度目の正直」を達成するのか?等々力のピッチ上が白熱することは間違いない。