ティアフォー社長が語る「自動運転」日本の勝ち筋、ソフトだけでなくデータのオープン化がカギ
テスラやグーグル系のウェイモなどビッグテックがしのぎを削る自動運転の世界。そこで気を吐くのが日本発スタートアップのティアフォーだ。自動運転用ソフト「オートウェア」を無償で公開するオープンソース化し、コミュニティの力でソフト開発を進める手法で渡り合う。 同社の創業者でCEO(最高経営責任者)を務める加藤真平氏に、ティアフォーの現状と自動運転における日本の勝ち筋などを直撃した。 ――自動運転用ソフト「オートウェア」の現在の実績は? 【写真】ティアフォーが販売する自動運転車
「オートウェア・ファンデーション」というコミュニティがあり、世界中のメンバーが開発に参画している。オートウェアの利用は国内外200社以上。当初は自動車メーカー以外から、今は自動車メーカーにも広がってきた。商用車では製品への組み込みも始まっている。 ■オープンソースは開発の方法論、顧客には関係ない ――オープンソースなので無償で公開されています。それでビジネスになるのでしょうか。 オープンソースというのは開発の方法論でしかない。スマートフォンの基本ソフト(OS)であるAndroid(アンドロイド)は一般にオープンソースとされる。ただ、スマホユーザーはそんなことを気にしていない。ほとんどのユーザーは製品やサービスのQCD、つまり品質、価格、納期にしか興味がない。
ティアフォーのビジネスにとって、オートウェアがオープンソースであるかどうかは関係ない。いかにQCDを改善するかという当たり前のビジネスをやっている。 ――オートウェアはアンドロイドのようなものである、と。 アンドロイドを意識しているが、理想はLinux(リナックス)だ。 ――違うのですか? アンドロイドはグーグルがリナックスを改造して作ったソフトだ。グーグルに属しており、アンドロイドからリナックスへの還元はない。つまり本当の意味ではオープンソースとは言えない。一方、リナックスはどこにも属しておらず、リナックス・ファンデーションが主導するコミュニティで開発している。コミュニティの開発成果がリナックスに反映される。