ティアフォー社長が語る「自動運転」日本の勝ち筋、ソフトだけでなくデータのオープン化がカギ
リードしているのはやはりアメリカと中国だ。両国では特定地域で、特定企業が垂直立ち上げをやっている。例えば、サンフランシスコやフェニックスなどではグーグル系のウェイモが、上海や北京では中国のベンチャー企業が自動運転の実証実験を行っており政策もそれを後押ししている。 ■いろいろな車種・地域で自動運転を実現 日本はよくも悪くもティアフォー中心に進んでいる。ティアフォーはバス、タクシー、トラック、カート、工場内などで自動運転を進めている。いろいろな車種、地域で自動運転を行い、「面」を取っていくやり方をしている。
世界全体にレベル4の自動運転を広めていくことを最終的なゴールと考えると、どちらのやり方がいいのかはわからない。ある地域で自動運転をやるならアメリカと中国のやり方が進んでいる。どんな車種でも、どんな場所でも、というなら圧倒的にティアフォーが進んでいる。 ――日本は自動運転で勝てますか。 普通に考えると日本は負ける。ならば、ウチは日本が勝つにしても、負けるにしても、世界中から利益を生み出せるビジネスモデルを考える。結果、ティアフォーが勝てば、周りにいる自動車メーカーも勝てるようになり、日本が勝ったことになる。
――世界的にEVが減速しています。どのように見ていますか。 私はEVでもハイブリッド車(HV)でもどっちでもいいと思っている。今、バスはほとんどがディーゼル車だし、タクシーはLPG(液化石油ガス)車だ。ティアフォーとしてはエンジン車でもEVでもどちらでもいい。 どちらが環境にやさしいかは議論の余地があるし、製造過程も含めて考えるとHVがいいという議論もある。そもそもガソリン車でもHVでもEVでも環境には悪い。
EVが増えていくのはそこ(環境)が理由ではない。パソコンや携帯と同じで作りやすく参入が容易だからだ。EVはよくないという話が出つつも、でも作れてしまうのでEVが拡がっていく。世の中はつねに多数決で決まる。 電池もまだ発展途上なのでもっとよくなる。ああだこうだ言っている間に、電池がより軽く、より薄く、より大容量になっていってEVでよくない? となると思っている。 ■上場を簡単に口にしないほうがいい ――以前はIPOの目安は2025年としていました。