トランプ氏「ペット食べる」発言が波紋 米大統領選テレビ討論会をアメリカZ世代はどう見た?「笑わずにはいられなかった」
◆トランプ氏の“嘘”を進行役が即座に否定
ラボメンバーが思わず笑ってしまったという、トランプ氏の「突拍子もない発言」。そのうちの1つは、日本でも広く報道された「移民が犬や猫を食べている」という根拠のない情報です。ラボメンバーから、衝撃を受けたトランプ氏の言動について振り返ってもらいました。 メアリー:よかったのは討論会のモデレーター(司会進行役)が、きちんと自分の役割を果たしていたこと。特にトランプの2つの明らかな嘘については、きちんとファクトチェック、つまり嘘を否定して、彼に逃げ道を与えなかった。1つは「移民が動物を食べているという嘘」、もう1つは「妊娠9ヵ月目の中絶という嘘」。 ノエ:彼が言っていたのは、今一部の州では生まれた赤ちゃんを中絶するのが許されている。で、もしカマラが大統領になったら、それがすべての州で合法になる、みたいなことだったよね。 メアリー:それは文字通り受けとると、「生まれたばかりの赤ちゃんを殺しても合法」という意味になってしまう。 ノエ:それに対してモデレーターがすぐに「それは事実ではありません」と無表情でバッサリ切って、さっさと次の質問に移ったのがまるでコメディみたいだったんだよね。 ケンジュ:それにしても、「ハイチ系移民がペットを殺して食べている」という話もすごかったよね。まさかそんなことを言うとはまったく予想もしていなかったから、みんな思わず吹き出してしまったんだよ。 この「ハイチ系移民が近所の犬や猫を盗んで食べている」というトランプ氏の発言は、特定の人種・民族に対する差別・中傷発言です。そもそもの噂の発信者は、オハイオ州選出の上院議員で、トランプ氏のランニングメートである副大統領候補のJ・D・バンス氏。「知り合いから聞いた」と、この話をSNSに投稿し、イーロン・マスク氏なども拡散していたのですが、トランプ氏が討論会で発言したことで爆発的に広がりました。 トランプ氏の発言直後、モデレーターが「そんな事実はないと、地元の市長が証明しています」とファクトチェックを入れたのですが、事態はまったく収まりませんでした。その後、地元スプリングフィールドの市庁舎と2つの小学校に爆破予告が届き、避難騒ぎとなっています。「今、全米のハイチ系アメリカ人や移民が身の危険を感じています」とZ世代専門家のシェリーは解説します。
【関連記事】
- イスラエル支持でカマラ・ハリス候補に失望、ティム・ワルツ副大統領候補に希望を…アメリカの若者は民主党全国大会をどう評価した?
- ハリス候補はZ世代の支持を得られるか? 勝敗のカギは「パレスチナ問題への具体的な取り組み」
- バイデン氏、カマラ・ハリス副大統領支持で浮動票はどうなる?「トランプ氏を絶対に当選させたくない女性と、マイノリティが多い若者の関心を飛躍的に高める可能性はある」
- トランプ氏勝利と、米保守系の政策案「プロジェクト2025」に揺れる米Z世代「アメリカの将来にものすごくネガティブな影響を与える」
- 全米が震撼したトランプ元大統領暗殺未遂事件 ニューヨークZ世代は“これからの大統領選”をどう見る?