医療系政治団体、暴力団がらみの疑惑企業、新興宗教法人…誰が寄付しているのかが見えてきた!【全議員データで見えた政治とカネ】
派閥マネーに匹敵する、医療系の政治団体の献金パワー
派閥以外の政治団体として自民党への寄付の額が大きかったのは、医療系の政治団体です。 まず、目立つのは日本医師連盟で、5646万円でした。ただ、これだけではありません。日本医師連盟は、本部のほか各都道府県ならびに市町村区にある医師連盟(例えば東京都医師政治連盟、広島県医師連盟など)を通して献金を行っているので、すべての医師連盟の寄付を積み上げると、総額で3億3839万円にのぼり、寄付全体に占める割合も17.8%にのぼっていました。 日本歯科医師連盟も同様で、本部からは4010万円ですが、都道府県や市町村区にある歯科医師連盟のすべてを含めると総額では1億1357万円(全体に占める割合は6.0%)となっていました。 また、日本精神科病院政治連盟、整形外科医政協議会、日本眼科医連盟、日本看護連盟、日本薬剤師連盟といった、日本医師連盟と日本歯科医師連盟以外の医療系の政治団体の寄付の総額は2億9120万円(15.3%)でした。 こうした医療系のすべての政治団体を足し合わせると、自民党議員への寄付は全体の33.2%に及び、派閥マネーに匹敵することがわかります。 月別にみると、やはり医療系の政治団体も、寄付額上位の団体の多くは、選挙が行われた10月に集中的に寄付していました。 また、受け取った政党別でみると、自民党にはのちに経営者が暴力団との関係を取りざたされた企業が献金のトップ、立憲民主党では新興宗教団体からの献金がトップでした。スローニュースでは献金上位者の具体名を明らかにしています。
集計:「政治資金データベース」制作グループ/構成・文:熊田安伸