性欲低下や体重増加…睡眠学者が警告を鳴らす「寝不足」で起きる5つのこと
米国人の3分の1以上は、コロナウイルス感染症のパンデミックが始まる前から、専門家が推奨する1日7時間以上の睡眠を確保していなかった。そして、ロックダウンという前代未聞の現実に直面すると、そのストレスで米国人の68%は寝不足に陥った。 【写真】寝不足の日の翌日をうまく乗り切る5つのコツ 寝不足になると頭がボーッとするのは周知の事実。でも、私たちの睡眠習慣は日常生活のさまざまな側面に影響を及ぼす可能性があり、それには血圧や性欲も含まれる。 「私たちの体内システムのほとんどは、なんらかの再生プロセスや十分な睡眠の上に成り立っています」と説明するのは、睡眠医学の研究者で著書に『The Sleep Solution: Why Your Sleep Is Broken and How to Fix It』を持つW・クリストファー・ウィンター医学博士。「睡眠は私たちの思考、機能する能力、免疫システムの基礎であり、人間の生存に必要なもののほぼすべてに影響を与えます」 だから今夜はスマホの電源をオフにして、カーテンを閉め、いつもより早くベッドに入ろう。さもないと、寝不足の影響が次のような形であらわれてくるかもしれない。今回はそんな睡眠不足のリスクについてアメリカ版『Prevention』からご紹介。
1.免疫システムが弱くなる
「睡眠と免疫システムの間には非常に強いつながりがあります」と説明するのは、米ノースウェスタン・メディシン病院の睡眠外科部長で睡眠コンサルティングサービス『Peak Sleep』チーフ・メディカル・オフィサーのマイケル・アワド医学博士。「私たちの体は睡眠中に、ありとあらゆる細胞を修復します。そのため寝不足になると、免疫反応を引き起こす体の能力が低下します」 米国疾病予防管理センター(CDC)によると、寝不足は感染症のリスクも高める。米医学会誌『JAMA』に掲載された論文によると、最初の6日間は睡眠時間を1日4時間に制限し、そのあとの7日間は睡眠時間を1日12時間に増やすと、インフルエンザワクチンに対する抗体の産生量が50%以上減少することもある。要するに、疲弊した体には、通常の免疫反応が起こせないというわけだ。 寝不足は、腫瘍細胞と戦う免疫システムの能力を低下させ、炎症性サイトカインの生成を引き起こすことがある。炎症性サイトカインは免疫システムによって分泌されるタンパク質で、代謝性疾患や循環器疾患の原因となることも。