【世界同時株安】でも「オルカン一択が正解」だったのか?新NISA「やらねばならなかったこと」を元ファンドマネジャーがそっと指摘
元ファンドマネジャーがとった2024年8月「大混乱相場」での4つの投資行動
私はドキドキしない資産運用をお勧めしています。これは農業的投資とも言い換えられます。私が実践している運用は、売買を避け、なるべく長くお金を寝かせて収穫を待つ、というのが基本スタイルです。シリーズ中にも書きましたが、資産運用のコツはなるべく長く市場にいることで、期待リターンを薄く広く積み重ねることで複利効果を体現することに尽きます。肥沃な土地(期待リターンが高い資産)を探し、いろんな種をまく(分散投資)ことで天候のリスクを避け、天変地異に逆らわない(流動性を持つことで保険にする)ことを念頭に運用をしています。 8月は基本的に7月のポジションを閉じる動きをしています。売りリバランスを行った後に短期間で市場が変動したため、普段よりもすぐに再リバランスの機会がやってきました。7月の投資行動を振り返りながら、8月の4つの投資行動のご説明をしたいと思います。 1・比率が上昇した外国株のリバランス 7月は米国株の先物を売り建てとフィラデルフィア半導体指数に逆連動するETFを購入しました。8月は円高と米国のNASDAQ市場を中心に株価が下落しましたので、外国株の比率が低下しています。VIX指数に示される市場の変動性が高まっていますのでポジションを維持していますが、米国の景気後退が避けられる可能性が高まったり、目標水準まで比率が低下した場合には2回に分けて買いリバランスを実施しようと考えています。 2・償還を迎えたドル建て社債の扱い ドル円市場が160円を超えたところで為替介入があり介入が効きやすいポリシーミックスであると判断して、158円程度でFXでドル売りをしました。介入の値幅は10円程度であるとみていたことから150円程度で買戻しをして、外貨のポジションを中立にしました。その後145円程度まで円高になりましたので、もう少し我慢していれば、とも思いますがそれは言わない約束でお願いします。 前編では今回の金融ショック級の相場変動に対する見通しと、現在とっている行動を伺いました。つづく【後編】では、じつは投資に於いては「いくら儲けたか」はどうでもいい、「退場しないこと」が何より大切という重要な心得を伺います。では、そのためにいますぐすべきことは?
投資家・文筆家 澤田信之