東海理化が実用化へ、子育て世代の運転を支援する機器「ファミカ」の機能
東海理化は子育て世代の安心・安全な運転をサポートする製品「FamiCa(ファミカ)」の開発に乗り出した。後部座席にモニターを設置し会話や見守りができるほか、子どもが楽しめるコンテンツの提供が可能。「ワンオペ(1人作業体制)」での運転中の不安を解消する。2025年ごろの実用化を目指し、バイタル(生体情報)センサーやコンテンツ制作などの知見を持つ企業との連携を進める。 【写真】東海理化が開発する「FamiCa」 マイクやカメラ、スピーカーが一体となったモニターを子どもが座る後席に設置する。親は運転席からスマートフォンを通じてコミュニケーションができる。「子どもの声が聞き取りにくい」「チャイルドシートを後ろ向きに設置していると様子が分からない」「すぐぐずってしまう」などの悩みに応える。 コンテンツは絵本の読み聞かせや生成人工知能(AI)を使った「しりとり」といった、楽しみながら学べるものを開発する。現在はコンセプトを試作し、社内外の子育て世代にヒアリングを実施するなどして機能の改良を重ねている。 FamiCaは新商品開発部に所属する女性社員2人が開発する。自身の子育ての経験を生かし、仕事と育児を両立する難しさや、子どもを乗せて運転する際に感じた不安などから着想を得た。 担当する伊藤綾野新商品開発プロジェクト主任は「こういった悩みを持つ親は多いが、チャイルドシートなど法律で決まっているもの以上の商品がほとんどなかった」と話す。 今後は事業化に向けて関連技術を持つ連携先を募集する。愛知県が主催するオープンイノベーションプログラム「AICHI MATCHING」に参画。子どもの健康状態や心理状態を検知するバイタルセンシング技術や、デジタルコンテンツ制作に関わるスタートアップとの共創を狙う。将来は運転中だけでなく家で記録したデータと連動し一元管理する機能も想定。「スマートホーム」などの連携先も募集する。