【解説】石破新総裁「人事」と「解散」 決断の舞台裏
日テレNEWS NNN
自民党の石破総裁が9月30日に会見を開き、10月27日に投開票の日程で衆議院総選挙を行う意向を表明しました。解散決断の裏側や石破政権の新たな閣僚人事について、日本テレビ政治部・官邸キャップの平本典昭記者が解説します。 ◇ 自民党の石破新総裁は、役員人事を正式に決定しました。副総裁に菅義偉氏、最高顧問には麻生太郎氏です。党4役には幹事長に森山裕氏。自民党の最高意思決定機関、総務会をまとめる総務会長に鈴木俊一氏。党の政策決定を仕切る政務調査会のトップ政調会長に小野寺五典氏。そして、選対委員長に小泉進次郎氏が決まりました。 また、10月1日に召集される臨時国会で首相に指名されたあと組閣に臨む石破新総裁ですが、起用される予定となっている閣僚人事では、19人のうち13人が初入閣となります。林官房長官は続投させるほか、外相に岩屋毅氏、財務相に加藤勝信氏、厚生労働相に福岡資麿氏、農林水産相に小里泰弘氏、経済産業相に武藤容治氏などを起用する方針です。
鈴江奈々キャスター 「日本テレビ・政治部官邸キャップの平本典昭記者に3つの疑問について聞きます。 1.異例の『人事拒否』…党内分断も 2.チーム石破『実務型』『在庫一掃』 3.解散表明…方針転換『舞台裏』 まず1つめ、『人事拒否』があったと聞かされていますが、それは異例のことだったんでしょうか?」 政治部官邸キャップ 平本典昭記者 「これは異例と言えます。チーム石破のメンバーですが、舞台裏で実は2人のキーマンが打診を拒否したことがわかっています。1人目は総裁選で戦った相手の1人、コバホークこと小林鷹之氏。若手の期待を背負って出馬した小林氏でしたが、石破総裁は選挙の公報戦略などを担う重要ポジション・広報本部長のポストを打診しましたが、小林さんは拒否したそうです。『自分ではなく、仲間にポストを譲りたい』という理由でした」 「もう1人は今回の人事で最注目だった人物で高市早苗氏です。石破総裁は自民党の最高意思決定機関のトップである総務会長ポストを打診しましたが、高市さんは拒否したそうです。高市さんは『幹事長のポストなら受ける』と言ったそうです。自民党のポストでいうと、幹事長は総裁に次ぐNo.2のポストで総務会長より『格上』ですので、高市氏は『もっと上のポストでないと受けないよ』と。これは言い換えれば、『石破政権には協力しない』というメッセージともいえます」 鈴江キャスター 「そうともとれるんですね」 平本記者 「そうとれると思います。高市氏は決選投票で争った相手で、安定した政権運営には高市氏の協力が不可欠でしたので、党内が『分断』されてしまったともいえます。あるベテラン議員は『党役員の人事でこれだけ断られたという記憶はない』と異例さを明かしています。裏を返しますと、石破氏の党内での『求心力の低さ』が早くも露呈された形ともいえます」 鈴江キャスター 「前途多難ともいえる状況ですか?」 平本記者 「まさにです」