【解説】石破新総裁「人事」と「解散」 決断の舞台裏
鈴江キャスター 「そして2つめの疑問です。『チーム石破』について『実務型』『在庫一掃』という評価がもう出ているんですか?」 平本記者 「プラス評価では『実務型』といえると思います。チーム編成に石破総裁自身は、周辺にキーワードとして『継続と安定』をあげています。まず、継続ですが、石破氏は『岸田政権の継承』を掲げる中で、象徴は林官房長官の続投です。また、石破氏は官邸の経験がないので、『林さんの官邸経験を頼りにしている』と周辺に話しています」 「もう1つは安定です。この象徴は森山幹事長といえます。森山さんは経験、調整力に定評がありますから、党内基盤を安定させるために森山氏には早い時期から幹事長のお願いをしていたそうです」
鈴江キャスター 「『安定感』がある一方で、閣僚人事などを眺めてみますと、『刷新感』がなく、女性が少ないという声も聞かれますがどうなんでしょうか?」 平本記者 「そのあたりがマイナス評価として出てきている声だと思います。ある数字で分析したいと思います。自民党内にはまだ、閣僚経験がなくて順番でそろそろ自分かなという『待機組』と呼ばれる人がいます。今回、初入閣した人が13人いましたが、『待機組』はいったい何人いたと思いますか?」 鈴江キャスター 「そうですね…顔ぶれをみると半分以上は『待機組』ですか?」 平本記者 「普段はそれくらいが相場観なんですが、今回は13人中、なんと13人すべてがこの『待機組』だったんです。こうしたことが理由で女性閣僚は5人から2人に、また若手の抜てき登用も今回はなしとなりました。こういったことから、党内からは『在庫一掃内閣』という声も飛んでいます」 「もう1つ、今回は脱派閥の人事を断行できるかもポイントでした。派閥ごとにみると、無派閥が一番多くて9人。一方で比較的派閥の人数が多い旧茂木派、旧岸田派からはそれぞれ1人。これまで多かった『派閥均衡型』人事からは脱却したともいえます。ただ、これ総裁選の陣営別にみると、石破陣営の起用は8人と最も多かったんです。こうしたことから、『お友達内閣』とやゆする声は上がっています」