【解説】石破新総裁「人事」と「解散」 決断の舞台裏
鈴江キャスター 「そして3つめ、30日に解散を公式に表明しましたが、舞台裏では何かあったんでしょうか?」 平本記者 「まず、石破総裁の解散に関する考え方は、以前は『本会議、そして予算委員会で論戦をして国民の審判を受ける』といっていました。総裁選で早い時期の解散を主張していたのは小泉氏で10月を主張していました。石破さんは逆にもう少し遅いタイミング、国会で予算委員会を行い、11月の解散を主張していました。石破氏は周辺に対して『予算委員会で議論をしないと、国民に選挙でいったい何を判断してもらうのか判断材料を提供できない』と話していました。それなのに、ここにきて10月の解散に方針を転換したわけです」 鈴江キャスター 「なぜその方針を転換したのでしょうか?」 平本記者 「これは、自民党内の『総裁選を行って支持率が下がらないうちに早く解散をすべき』という党内の声に押し戻されたと言えます。その筆頭格は幹事長の森山氏ですが、別の自民党幹部も『予算委員会なんてやったら政治とカネであるとか、旧統一教会のことばかり野党は追及してくるだろう。政策議論なんてできないんだから議論は避けるべき、早く解散すべき』と言っていました」 鈴江キャスター 「石破さんは野党からの議論も受けて立つというスタンスのように映っていたんですが、そこも変わったということでしょうか?」 平本記者 「そう野党からは見られていて、激しく反発が出ています。立憲民主党の野田佳彦代表は『与野党の論戦があって、国民に対して判断材料を提供してから信を問うと言っていたはずなのにもう解散の話をするというのは、私は不見識極まりないと、国会軽視だと思っています』と発言。その他にも、ある立憲幹部は『石破さんは総裁になった途端に筋を曲げて議論から逃げた』と。別の立憲幹部は『古い自民党を批判して当選したのに、すでに古い自民党に取り込まれている』といった批判も出ています」 「チーム石破は10月1日に本格スタートします。今、自民党内からでさえ『総裁になった途端に石破さんは変わったのでは』という声も聞きます。期待が失望に変わらぬよう、石破さんの良さはなんとか失わずにいてほしいと思います」