中国EVメーカー「Xpeng(シャオペン)」とは何者?株価・販売台数、X9ら全車種を解説
Xpengの強み
Xpengの主な強みとして、以下の2点が挙げられる。 ・高速の充電速度を実現 ・先進のAI技術により運転を自動化 ここからは、それぞれについて詳しく見ていこう。 1ページ目を1分でまとめた動画 ■強み(1):高速の充電速度を実現 Xpengの特徴の1つ目は、高速の充電速度だ。 Xpengが2022年に発売した「Xpeng G9」には、中国の量産車として初となる800ボルトの炭化ケイ素(SiC)バッテリーが搭載されている。同社のS4充電ステーション使用により最大480キロワットの充電速度に対応し、量産される電動SUVの中で最速の超高速充電を実現した。 理想的な条件下では、わずか5分程度の充電で200キロメートルを走行できるほか、約15~20分で電池残量10%の状態から80%まで充電させることも可能だ。 Xpengは2025年末までに、専用充電装置を備えた充電ステーションを2000カ所まで増やすという目標を掲げている。 ■強み(2):先進のAI技術により運転を自動化 自社開発の先進運転システムをはじめとする主要車載システムを活用できる点も、Xpengが誇る強みの1つだ。 2022年発売の「Xpeng G9」には、LiDARに加え、31個のセンサーやフロントビューカメラにより障害物を検知する、第2世代の先進運転支援システムが搭載される。音声アシスト機能も標準装備されており、車内のさまざまな場所から最大600のコマンドに応答可能だ。 さらに近年は、高度運転支援システム「XNGP」を刷新した。従来は運転支援システムを使用できる都市が限られていたが、業界初のAI 模倣スマート運転システムの搭載により、2024年7月には中国全土の公道で使用可能になった旨が発表された。
Xpengの販売台数、売上、株価の推移
ここからは、累計出荷台数や売上げ、株価の推移をもとに、Xpengの市場ポジションを見ていく。 ■販売台数 Xpengの2023年末時点での累計出荷台数は、40万台を超えている。2023年の1年間における販売台数は、14.16万台だった。 激しい市場競争にさらされ、2023年は前年に比べ赤字が13.6%拡大したが、2024年第1四半期の販売台数は2万1000~2万2500台を見込んでいる。 ■売上 Xpengにおける2022年7~9月期の売上高は、予想をやや下回るものの前四半期比68.5%増の85億元となった。 2023年8月28日には、配車サービス大手、滴滴出行(ディディ)のスマートEV部門を買収し、同社と戦略的パートナーシップを締結することを発表している。最大7億7,400万ドル規模となる可能性を秘めた提携の発表により、8月28日朝方におけるXpengの株価は約16%の値上がりを見せた。 2023年度は、決算報告によると2022年に比べて赤字が13.6%拡大している一方、売上高は306.8億元となり、前年比プラス14.2%となっている。 2024年の第2四半期決算では、売上高は81億1,000万元、納車台数は3万207台となった。前年同期に対し、売上高は6割の増加、納車台数は30.2%の増加を見せている。 直近3年間のXpengの売上推移(通貨単位:CNY) (出典:Yahoo!ファイナンスより作成)