引退のロッテ里崎が語る「試合後に歌った理由」
千葉ロッテの里崎智也捕手(38)が、明日、28日、QVC千葉マリンで行われるオリックス戦で16年間のプロ野球人生にピリオドを打つ。チケット完売が球団サイドから発表され「1番・DH」でのスタメン出場が濃厚の様子。これは2番から9番までの打順で本塁打を記録してきた里崎が1番でだけ本塁打記録がないための指揮官の配慮だ。里崎の独占インタビューの第2弾では、2度の日本一の背景などを聞いた。 ――バッティングで残した通算記録(打率.256、108本塁打、454打点)をどう自己評価されていますか? 「多くのプロ野球の先輩からすれば、たいしたことのない数字ですが、歴代のロッテのキャッチャーの中で1位に名を残せたことは嬉しいですね」 ――バッティングでは何を追及していましたか? 「トータルの数字は、少なくていいので、ここぞで打てるバッターを追及しました。チームの勝利にかかわる、重要な場面でしっかりと打てるバッターです。すべては、そこ(勝負どこ)で打つための駆け引きでした。当たるも八卦、当たらぬも八卦のヤマ張りバッティング。だからムラがあったのかもしれません」 ――4年連続で満塁ホームランを記録するなど、確かにチャンスでの勝負強さが里崎さんの代名詞でした。勝負強くあるための秘訣は? 「もう引退をするので、マル秘情報をばらします(笑)。人はピンチに陥ると得意なことしかしません。だから、それを待っていればいいんです。何もこれは野球選手だけに限りません。一般的に人が窮地に陥れば行動は決まってきます。例えば困ったときには一番信頼する人に電話するでしょうし、失敗したときの言い訳もだいたい一緒でしょうし(笑)火事になって持ち出すものも一番大事なものになるでしょう。そういう状況に追い込まれる人間には習性が出るんです。だから、それを待っていればいいんです」 ――つまり相手の得意ボールを? 「クライマックスや日本シリーズなどの短期決戦になれば、なおさら、その傾向が強くなります。後悔したくないから駆け引きなく得意なボールで勝負!となるんです。それを仕留めることができるかどうかは、僕の能力次第。待っていたボールを打つことできなかったこともたくさんありましたが」 ――相手が一番得意なボールとの力対力の勝負ということですか? 「それが違うんです。相手は、てんぱっているわけですよ。必ずミスが出るんです。そういうピンチでいつもの力は出ません。もし出せれば相手の勝ちです。そこはガチンコです」