“国内専念”だった山下美夢有が米挑戦を決めた理由 「オリンピックに出て…」
<スタンレーレディスホンダ 事前情報◇3日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6610ヤード・パー72> 宮里藍と金田久美子のレアショット!【写真】 山下美夢有が新たな挑戦をする。米国女子ツアーの来季出場権をかけた「Qシリーズ」にエントリーしたことを、マネジメント会社を通じて発表。プロアマ後には自らの口で明言し、その意志を固めた。 現在の世界ランキングは17位で、「10月8日時点の世界ランキング75位以内」の資格で最終予選から出場できる。最終戦「JLPGAツアー選手権リコーカップ」を終えて渡米し、12月5~9日(米アラバマ州・マグノリアグローブGC)に出場する予定としている。 2022年の「AIG女子オープン」(全英)から海外メジャーにスポット参戦をしてきたが、かねて“国内専念”を強調してきた。昨年末からは海外メジャー優勝を目標に掲げ、そのなかで、今季は全5試合に出場。初戦となった4月の「シェブロン選手権」では17位で終えたが、「結果自体はそんなに良くなかったけれど海外意識を持つようになった」と米ツアーを意識し始めた。 「全米女子オープン」を12位で終えると、第3戦「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」で優勝争いの末2位に入った。米ツアーへの想いをじわりじわりと強めていくなかで、「パリ五輪」の出場権を獲得し日の丸を背負った。メダル争いに加わるも4位で終え、これが最後の一押しになる。 「レベルの高い選手がたくさんいますし、そのなかでもっと自分のレベルを上げていきたいと思った。それ(五輪)までにも行きたいという気持ちはあった。オリンピックに出て、結果はあまり良くなかったけれど、海外の試合で優勝したいと思った」 先週にはQシリーズ挑戦を決め、発表に至った。決断までには家族にも相談したが、『自分で決めることや、行くんやったら頑張ってき』と両親は背中を押してくれている。これまで国内専念の理由のひとつにもなっていた食事面についても、「これから決めていきたい」と考えていくことになる。 「通過できるように」と2カ月後を見据える一方で、まずは国内ツアーに注力する。今シーズンは残り9試合。2年連続の年間女王も、今季はここまで2位が7回。先週の「日本女子オープン」は最終日最終組で回るも3位で終え、連続トップ10の間に優勝がないという“珍記録”は12試合で最多を更新してしまった。 「残りの試合も楽しんでベストを尽くせるように。(調子は)だいぶ良くなってきているので、いつも通りのプレーをして、優勝争いできるように頑張ります」。決意を新たに、女王がギアを入れ直す。(文・笠井あかり)