父は、70歳を超えてもまだ働きに出ています。子としては「いつまで働きつづければよいのだろう」と不安になってしまうのですが、父がもらえる年金は毎月どのくらいなのでしょうか?
70歳を超えて働いても年金は増えない
厚生年金の加入期間(被保険者期間)は、70歳になるまでです。70歳まで会社員として働いた報酬と在職期間は老齢厚生年金に反映されますが、70歳以降はいくら働いても老齢厚生年金額には反映されません(※4)。
老齢年金を受給しながら働くと、年金が減額される?
老齢厚生年金を受給している方が、老齢厚生年金の被保険者として働いている間は、受給している老齢厚生年金の基本月額(注4)と総報酬月額相当額(注5)に応じて、老齢厚生年金額が支給停止となる「在職老齢年金制度」があります(※5)。 (注4)加給年金を除いた老齢厚生年金(報酬比例部分)の月額 (注5)(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12 老齢厚生年金を受給している70歳以上の方は、会社員として働いていても厚生年金の被保険者ではありませんが、在職老齢年金制度の適用を受けるため、年金の支給停止の対象となります。 この場合、70歳以上の方が得た賃金は正式な「標準報酬月額」や「標準賞与額」ではありませんが、在職老齢年金制度においては、「標準報酬月額に相当する額」と「標準賞与額に相当する額」として扱われます。
まとめ
子どもとして、70歳を超えて働く親が心配になるのは当然でしょう。まずは、親の在職期間と平均年収を推定して、親が受給している老齢年金の額を概算し、必要であれば経済的な援助を考えるとよいでしょう。 また、70歳を超えて働いても老齢厚生年金の額は増えないうえ、収入によっては在職老齢年金制度により老齢厚生年金が減額されますので、働きすぎないように、親に注意するとよいでしょう。 ただし、70歳を超えても働きつづける理由としては、収入を得ることだけではなく、働くことに生きがいを感じていることが考えられますので、親の意向を尊重することをお勧めします。 出典 (※1)内閣府 令和6年版高齢社会白書(全体版)(PDF版) (※2)日本年金機構 老齢年金 (※3)日本年金機構 年金用語集 は行「報酬比例部分」 (※4)日本年金機構 適用事業所と被保険者 (※5)日本年金機構 在職老齢年金の計算方法 執筆者:辻章嗣 ウィングFP相談室 代表 CFP(R)認定者、社会保険労務士
ファイナンシャルフィールド編集部