「比較」が子どもに悪影響? 全国アンケート1300件でわかった“子どもたちのホンネ” 親から比較されると学校の満足度も低く……
親や先生に言いたいのに言えないこと、“子どもたちのホンネ”は?――。日本テレビとYahoo!きっずの共同で実施したアンケートで、約1300件の全国の小中高生の声が集まりました。子どもに頑張ってもらいたいと、つい周りのお友達や兄妹と比較してしまう“親心”。でも約7割の子どもがイヤな気持ちになると回答しています。そして、親の比較が、子どもの悩みの数や学校満足度など様々な悪影響があることが判明。子どもの教育分野での調査、データ分析を行うエビデンス共創機構の伊芸研吾代表理事に、約1300件の声を分析してもらいました。 (インタビュー・文=日本テレビアナウンサー鈴江奈々)
■家庭の状況が良いと学校生活にプラスに働く
―――アンケート結果の分析から、親子関係にどんな特徴が見られましたか? ◆親子の会話が多い子ほど、家庭での満足度が高く、親とより会話したいと思う ◆夕食を家族と食べる子ほど、家庭での満足度が高く、親とより会話している ◆休日に家族で出かける子ほど、悩みが少ない 1つは、お父さん、お母さんとの会話が多ければ多いほど、家での生活に満足している度合いが高い傾向があったこと。加えて、家庭の生活満足度が高ければ、もっと親と会話したいと答える傾向がみられ、好循環のような結果が見られました。これを逆に返すと、あまり親と会話をしていないお子さんの場合は、家庭生活の満足度はあまり高くないし、親とあまり会話をしたくないという風になってしまって、さらに満足度が下がる負のスパイラルもあり得る点が示唆的な結果でした。 会話以外に、親と子どもの関わり方がどう家庭生活の満足度に影響するのか分析してみると、「夕食を親と一緒に普段食べることが多い」「休日家族で外出することが多い」お子さんは家庭の満足度が高く、親との会話の頻度っていうのも非常に高いというような傾向がみられました。また、家族と夕食を一緒に食べたり休日に一緒に外出したりするお子さんは、悩みの数自体も少なく、さらにお父さんやお母さんが相談相手になっている。そういう関係性も今回見られました。 ―――学校生活との関係性は何かみられましたか? ◆夕食を家族と食べる子ほど、学校生活の満足度が上がり、学校に行きたくないと感じにくい ◆休日に家族で出かける子ほど、学校生活の満足度が上がり、学校に行きたくないと感じにくい ◆親に比較された経験のある子ほど、悩みが多い ◆親が比較する傾向にある子は、学校生活の満足度が低く、学校に行きたくないと感じている 夕食を家族と食べたり、休日に親と出かけたりする子ほど、学校生活の満足度が高く、学校に行きたくないと感じにくい傾向があることがわかりました。因果関係はアンケートだけではわからないので解釈は難しいところがありますが、家庭の状況が良いと学校生活にプラスに働いて学校生活の満足度が高い。または、学校生活がうまくいっていれば家も上手くいくというような逆の関係もあるかなと思うんですが、学校と家庭の満足度に関係性があることが今回の調査からは見えてきました。 親とあまり会話したくない、会話が減るということは、家庭生活満足度が下がるということになります。悪いスパイラルに入って、さらに会話もしなくなるし、満足度も下がるということで、やはりお子さんにとっては、よくない環境になっていくということがありました。