「比較」が子どもに悪影響? 全国アンケート1300件でわかった“子どもたちのホンネ” 親から比較されると学校の満足度も低く……
―――他者との関わりという点で、今回の分析からわかったことはありましたか? ◆友だちや嫌いな人、先生、勉強や成績、顔や見た目について悩みがある子ほど、学校に行きたくないと感じている ◆相談する人がいる子ほど、学校生活の満足度が上がり、学校に行きたくないと感じにくい ◆相談する人がいる子ほど、家庭での満足度が高く、親とより会話している ◆本音を話せる友だちがいる子ほど、学校生活の満足度が上がり、学校に行きたくないと感じにくい ◆本音を話せる友だちがいる子ほど、家庭での満足度が高く、親とより会話している 相談できる人がいる、腹を割って自分の思いを伝えられる人が身近にいることが非常に大事だと思います。今回の調査では、困ったときに相談できる人がいないと、学校や家庭の満足度も低く、学校に行きたくないと感じている傾向があり、悩みの数も多くみられました。そして、親に比較する傾向にある場合、本音を話せる友だちがいない、少ないという傾向がみられました。 慎重に判断する必要がありますが、周りと比較されることにより、自分をさらけ出すところが難しくなる、なかなか友達とか本音を話しづらい、そうした心理的な影響もあるのかもしれないですね。本音を話しても大丈夫だと認めてくれたり、それに対して真摯な答えが返ってきたり、そういう状況や関係性が大事である。これは子どもだけではなくて、大人、社会人の中でも「心理的安全性」の大切さが言われる中、そこに通じることが、今回の結果からも見られたと思います。
―――最後に、調査を通じて伝えたい事をお願いします。 今回の調査はネット上で広く全国の子どもたちからたくさん回答いただきましたが、やはり子どもたちが不満を持っていたり、満足をしていたり、そういった感情を持っているということが如実に出ています。日々の生活の満足度について、親との会話、周りとの関係が関連性あることも分析から見えてきました。1人の人間としての子どもたちにどうやって接していくか、この結果を多くの人に見ていただいて、今後どういう形で接していこうか、どういう環境を作っていこうか、子どもの成長についてどうやっていこうかと考える一つのきっかけになればうれしいです。
(調査詳細:『親や先生に言いたいのに言えないことは?――全国アンケート“子どもたちのホンネ”1300件 自由記述の声を紹介』) <連載企画>『子どもたちが、生きやすく』 少子化が進む一方で、子どもたちを取り巻く環境は複雑さを増し、社会の課題は山積しています。今、子どもたちの周りで何が起きているのでしょうか。日本テレビ系列のニュース番組『news every.』は「ミンナが、生きやすく」が番組コンセプト。この連載では「子どもたちが、生きやすく」、そのヒントを取材します。