急すぎる採用、過剰投資…… スタートアップが陥る5つの失敗パターン
ピカピカの新ツールに興奮しがちだが、有料顧客を獲得前の高価な技術への投資は罠
■早すぎる技術投資 起業当初は、ピカピカの新しいツールに興奮しがちだが、有料顧客を獲得する前に高価な技術に投資するのは、よくある罠だ。基本的なことがまだきちんとできていなければ、派手なシステムがビジネスを救うことはない。 例えば、最初の顧客と契約する前に月額500ドルのCRMプラットフォームを契約してしまうなどがある。確かに、合理化されたワークフローや高度な分析は理論的には素晴らしいものに聞こえるが、顧客がいなければ、リソースを浪費するだけだ。 その代わり、シンプルなシステムを構築しよう。手ごろな価格か無料のツールを使って、いま重要なことを処理しよう。それにはGoogle Workspaceのようなプラットフォームやプロジェクト管理ツールの無料版は最適だ。そうすることで、本当に重要なこと、つまりクライアントを獲得し、ビジネスモデルを検証することにエネルギーを集中することができる。 ビジネスが成長し、課題が変化するにつれて、効果的なスケールに必要なテクノロジーも見えてくるはずだ。テクノロジーは問題を解決するためにあるのであって、不必要な出費を生み出すためにあるのではないことを忘れないようにしよう。無駄なく始め、賢く成長しよう。 ■間違った人からアドバイスを受ける すべてのアドバイスが良いとは限らないし、時には間違った人の意見に耳を傾けることで、ビジネスを後退させてしまうこともある。私が見てきた(そして私自身が犯してきた)間違いのひとつは、善意のメンターやコーチから指導を受けることだが、彼らにはその業界での経験がまったくなかったのだ。たとえ善意であったとしても、彼らの助言は誤った判断、時間の浪費、資金の無駄につながる可能性がある。 例えば、eコマースブランドを立ち上げようとしていて、実店舗の運営を専門とするコーチを雇うことにしたとしよう。そのコーチは、店頭でのプロモーションや集客戦略を優先するように言う。実際に店舗を持っているのであれば、それは問題ないだろう。しかし、オンラインブランドの場合はどうだろう? そのアドバイスは完全に間違っている。 実地で学ぶことに勝るものはない。実地での経験は、その分野で何がうまくいき、何がうまくいかないかを教えてくれる。自ら経験していくつかの成功や教訓を得たら、すでに自分と同じような道を歩んできたメンターを探そう。適切な助言は、目標や課題に合致している場合に限り、状況を一変させる力になる。ビジネスを構築するのと同じくらい、アドバイザーも慎重に選ぼう。 間違いは旅の一部だが、それでストーリーが決まるわけではない。すべての挑戦は成長のチャンスであり、正しい考え方で取り組めば、すべての挫折は成功への一歩となる。よくある落とし穴を避けることで、時間、エネルギー、リソースを節約しながら、本当に誇れるビジネスを構築することができるだろう。
Sho Dewan