急すぎる採用、過剰投資…… スタートアップが陥る5つの失敗パターン
自社に何が必要なのかを本当に理解しないまま、採用を急ぎすぎてしまう
■採用を急ぎすぎる ビジネスにおける最大の失敗の1つは、自社に何が必要なのかを本当に理解しないまま、採用を急ぎすぎてしまうことだ。成長とは人を増やすことのように思えるかもしれないが、役割や責任が明確でないままチーム作りを急ぐと、リソースが枯渇し、効率が悪くなり、進歩が遅れる可能性がある。 ある小さなeコマース企業が大きな契約を獲得し、すぐにオペレーションを担当する新しいメンバーを3人雇ったとしよう。明確なプロセスがないまま、タスクは重複し始め、コミュニケーションはバラバラになり、チームは注文を処理するよりも混乱を解消することに時間を費やすだろう。結果、納期に間に合わず、顧客は不満を抱き、無駄な出費をすることになる。 求人広告を出す前に、少し立ち止まって考えてみよう。今、本当に必要な役割とは何だろうか? ビジネスが目指す目標に最も影響を与えるスキルは何だろうか? まずこれらのニーズを明確にすることで、衝動的ではなく、意図的に採用することができる。また、「選りすぐりの人材」で妥協してはならない。スキルと考え方が長期的なビジョンに合致している人材、つまり完璧にフィットする人材を見つけることに集中しよう。 ■顧客ターゲット層を広げすぎる 起業したばかりの頃は、すべての人を喜ばせるのが成長への近道のように感じられる。しかし、全員にサービスを提供しようとすると、たいていの場合、誰にも十分なサービスを提供できないことになる。努力は散漫になり、メッセージは不明瞭になり、ブランドは背景に溶け込んでしまう危険性がある。 そこで、「富はニッチにあり」という考え方でゲームを変えよう。特定のオーディエンスに焦点を絞れば、すべてがよりわかりやすくなる。サービスをカスタマイズし、プロセスを洗練させ、その分野で頼りになる専門家としての評判を築くことができる。 例えば、ビジネスコーチとして「すべての起業家」を支援するのではなく、成長のためのシステムや戦略を構築する手助けを必要とするアーリーステージの起業家を支援することに特化する。そうすることで、さまざまな業種をカバーしつつ、最も得意とするビジネスの段階が明確になる。適切なクライアントを引き寄せ、際立つことができるのだ。 量ではなく質を重視することが重要だ。ニッチを明確にすることで、より良い結果を出し、より強い顧客関係を築くことができる。時には、量を少なくすることで、より多くのことを達成できることもあるのだ。