「客寄せパンダでもいい」新庄剛志、プロ復帰は“70%”の真意
2019年11月12日――新庄剛志の電撃的な“現役復帰宣言”はインスタグラム上でなされた。SNSから発信されたビッグニュースというのも、常に型破りな新庄らしかったと言えるのかもしれない。現在48歳、現役復帰のプランとは?(取材・文:杉浦大介/Yahoo!ニュース 特集編集部)
48歳、現役復帰をブチ上げた
「みんな、夢はあるかい? 1%の可能性があれば、必ず、できる。今日からトレーニングを始めて、もう1回、プロ野球選手になろうと思います。みんなも何か挑戦しようぜ」 その宣言時点で47歳(現在は48歳)。現役引退からすでに13年が経っている。しかも近年はバリ島に住み、野球から完全に離れた生活をしてきたのだから、普通に考えれば“無謀”と捉えられても仕方ない。中には“野球をなめている”と気分を害するファン、関係者がいても不思議ではなかったのかもしれない。 しかし、何をやってもほとんどのファンからポジティブに捉えられてしまうのは、新庄独特のキャラクターとカリスマ性ゆえか。新庄が再びフィールドを目指す背景には、何より、そのファンを喜ばせたいという思いがあるという。 「みんなの期待に応えたい、もう1回あのグラウンドに立ちたいっていう気持ちから、起きて2秒後にインスタでプロ野球選手になるって発信したんです。まずは自分自身が楽しみたい。そしてみんなを笑顔にさせたい。簡単じゃないし、楽には入れないと思うけど、なんか楽しいんですよ。練習はまあしんどいですけど、しんどさの中に笑顔があるんです」
インスタライブなどでバリから頻繁にメッセージを送り続ける新庄は、現在、復帰に向けた練習に集中するためにあえて1泊1500円の安アパートに住み、トレーニングに明け暮れる日々を過ごしている。バリには野球の練習に必要な施設は整っていないが、自身のスタイルで感覚を取り戻しつつある。 「休んでいる暇はないよね。釣りにしても、トレーニングひとつとして行っている。買い物にしても、もう歩いて歩いて歩いて、物を見ながらでも歩く。それだけでも全然違ってくる。あとは目にいいブルーベリーのサプリや、インドから注文した目薬やら、いろんなのを試してる。速いボールを打ってないからどんだけ衰えているかっていうのがまだわからないけど、でも俺のセンスなら1週間も160キロくらいの球を打っていれば感覚つかんでくるから」 元スーパースターの再挑戦は大勝負であり大博打。それでもそんな大袈裟なものには感じさせないのが、50歳近くになっても依然として屈託のなさ、天真爛漫さを感じさせるこの人物の魅力なのだろう。今後、6月19日に開幕が決まった日本プロ野球の動向を見据え、オファーを待ち、同時にタイミングを見計らって自分からもアプローチするという。それらが実を結ばなかった場合には合同トライアウトに参加して勝負をかける。風雲児の新たなチャレンジにどんな結果が出るか、それほど遠くないうちに答えが見えてくるのだろう。