「客寄せパンダでもいい」新庄剛志、プロ復帰は“70%”の真意
「新庄とバレたくない」。整形手術の理由
阪神でスターダムに躍り出て、メジャーではメッツの4番を打ち、NPB復帰後は日本ハムを優勝に導いた。野球選手としては順風満帆のキャリアを過ごした新庄だが、実は引退後はすべてが順風満帆だったわけではない。 バリ移住の前には信頼していた知人に騙され、10億円以上を横領された一件はすでに大きな話題になった。今でこそあっけらかんと話すが、その時は「(愛犬の)ラナがいてくれなかったら、俺どうなってたんだろっていうくらい人間不信になった」と振り返る。「新庄剛志ってバレたくなくなった。あの件からね。新庄って言われたくない」と“新庄を隠す”ために整形手術までしたというのだから、ショックの大きさは計り知れない。
2011年には「俺が野球している姿を見るのが毎日の楽しみだった」という父親が死去。現在は姉が筋肉の収縮する難病に悩まされており、「電話とかも持てないから連絡も取れない」状態という。新庄は「俺がテレビに出てたら、姉ちゃんもプレーを見てくれるじゃないですか。可能性は少ないけど、それで治ってくれたら嬉しいなって」と語り、姉の病状も数ある現役復帰のモチベーションの1つになっていることは認めている。 ただ、そういった辛い経験を味わっても、変わらないものもある。持ち前の底抜けの明るさはこれまで通り。頻繁に笑顔を浮かべてプレーするため、メッツ在籍中には批判的になりがちなニューヨーク・メディアをして“シンジョイ(新庄とエンジョイ<楽しむ>を合わせた造語)”と評させた破天荒な新庄らしさは健在だ。 「プロ野球選手になるって言った後から、なんか俺、顔が変わったでしょ。身体もそうだけど、表情と目。さあ何かに向かっていくんだっていう気持ちがあるから目が変わってきた。一番の整形は気持ちなんですよ!」
NPB復帰の可能性は70%
実際には整形した顔もすぐに元に戻ってしまったというが、それすらも笑い飛ばすだけの度量が新庄にはある。 昨秋の復帰宣言以降、その挑戦の姿勢を真っ向から否定はせずとも、“現実的にはNPB復帰は難しいのではないか”と悲観論を述べる声もある。しかし、新庄本人は「70%はなれる自信がある」と堂々と言い放つ。コロナ禍の後、日本球界に必要なのは自信満々な新庄のような千両役者なのかもしれない。 「(復帰フィーバーが)めちゃくちゃ楽しみですよね。俺が復帰することによって日本では記事になるだろうし、盛り上がってくれるだろうし。いろんな人たちが興味本位で観にくるよね。50前のおっちゃんがグラウンドに立った? なになに、ちょっと観に行ってみるかって」