「チョコの価格は今後さらに倍に」カカオショックの原因はウイルス!?4億本以上の木が焼き払われる...菓子業界の打開策は?
「カカオショック」で高騰するチョコレート。主要産地のカカオ豆の不作は、実は異常気象だけではなく、ウイルスの流行が原因にあります。この先、高騰が落ち着いても“今までの倍くらいの価格”になるかもしれないチョコレート。この危機を乗り越えるヒントとなる取り組みを取材しました。
チョコレート「去年の倍くらい上がっている…」
大阪市内にあるケーキ店「菓子工房エリオス」。お店の中には色とりどりのケーキがずらりと並んでいます。店内にある15~20種類のケーキのうち、チョコを使った商品は2~3割ほど。老若男女問わず、人気の商品だといいます。 しかし、値札を見てみると、値段の部分だけ“手書き”で修正テープの跡も… (縄本修嗣パティシエ)「もう2か月単位くらいで(値段を)変えていかなきゃならない」 2023年より150円も値上がりしたといいます。原因のひとつとなっているのがチョコレートの高騰、「カカオショック」です。 (縄本修嗣パティシエ)「去年から比べると倍くらい上がっていますね。(月で値上がり分が)5~6万円いくんじゃないですか。かなり苦しいですね」
カカオショックを招いたのは『異常気象』と『ウイルス』
「カカオショック」とはどういうものなのか。“チョコレート博士”と呼ばれるチョコレート研究の専門家・佐藤清隆名誉教授にお話を聞くと… (佐藤清隆名誉教授)「異常気象によってカカオの木が弱まっちゃったところに、今までにない、専門用語だとかカカオ膨梢(ぼうしょう)ウイルスが出た」 チョコレートの原料となるカカオ豆の主要生産地は、西アフリカにあるコートジボワールとガーナの2カ国。しかし2023年末から大雨・洪水・干ばつなどに見舞われ、さらにそこにカカオの木を次々と枯らすウイルスが蔓延…。感染対策として4億7000万本以上もの木が焼き払われ、深刻なカカオ豆不足となってしまったのです。その結果、世界中で起きているカカオ豆の奪い合い。当然、価格も上がります。 (佐藤清隆名誉教授)「平均からすると(カカオ豆の値段は)倍以上になっている。(Q日本で買って食べるチョコレートの価格は?)単純に言うと、(今後は)倍になる。もう既に去年に比べて、4割ぐらい上がっている」 焼き払ったカカオ畑が元に戻るまで最低6年はかかるそうで、今後も値上がりは続くと言います。そんな中で、世界中の菓子メーカーから注目されているのが、ある“技術”を用いたチョコレートです。それは…