「チョコの価格は今後さらに倍に」カカオショックの原因はウイルス!?4億本以上の木が焼き払われる...菓子業界の打開策は?
救世主!?「コンパウンドチョコレート」
「コンパウンドチョコレート」。耳慣れない言葉ですが、いったいどんなチョコレートなんでしょうか。製造過程でカカオ豆の使用量を減らすことができるチョコレートだといいます。グループで業務用チョコレートの世界シェア3位を誇る大阪・泉佐野市の不二製油を訪ねました。 カカオ豆由来の原料であるカカオマスとココアバターから作られるチョコレートを、「ピュアチョコレート」と呼びます。このココアバターを、ヤシや大豆など別の植物油脂に置き換えたものが「コンパウンドチョコレート」です。ココアバターを代替することでカカオ豆の使用量を減らし、コストを抑えられるといいますが、その味は…。 (MBS・山中真アナウンサー)「(いつものチョコと)何か違うんですか?すごく食べなれたおいしいチョコレートですね。ちょっと違うのかなと思ったけど、いやいや、まったく一緒です。ちゃんとホワイトチョコの味。おいしいし口溶けもすごく滑らか」 (不二製油・仲朋美さん)「柔らかい油脂を使うアイス用のチョコレートコーティングは口の中が冷えた状態でもおいしく溶けるように仕上げたり、逆にすぐに固まる植物油脂を使うと、パンなどにコーティングしたときに袋や手にしたときにべたつきにくいチョコレートをつくることができます。弊社ではブレンドや配合比率を調整して、数千種類以上のコンパウンドチョコレートを作り分けています」 コストだけでなく機能面でも、まさに優れもの。洋菓子店など、これまでピュアチョコレートを使用していた専門店からも注目されているといいます。 さらに不二製油では、カカオの供給が不安定な現状そのものを改善しようという取り組みも。 (不二製油・仲朋美さん)「農家さんの生活を支援するプログラムを取り入れております。(カカオショックが)将来続くことにも備えて、価格が高いというだけではなく、農家さんの生活を支えるところから私たちも取り組んでいかなくてはならないなと」 特定の商品の売り上げを一部、生産者への支援に充て、農家が安定してカカオを生産し続けられる環境作りに貢献しているのです。