大岩龍一がツアー初勝利へ浮上 寝起きの前半から目覚めの後半で圧巻イーグル締め
<ANAオープン 2日目◇13日◇札幌ゴルフ倶楽部 輪厚コース(北海道)◇7066ヤード・パー72> まだ眠いときの大岩龍一【写真】 ツアー初勝利を目指す大岩龍一が、1イーグル・5バーディ・1ボギーの「66」で回り2位タイに躍り出た。 昨年のQTランク11位の資格で今季前半戦に出場し、今大会からはリランキング5位の資格で出場している。2021年から4年連続4度目の出場で、予選通過は22年の1回。その時は28位という成績を残している。 「前半、ショットはよかったんですが、朝眠かったのもあってパターがあまり入らなくて。入らなすぎてイライラしてきたくらいから目が覚めてきて、やっとパターが入り始めた。そこから流れがよくなりました」。やや冗談めかした表現で報道陣を笑わせる。前半は15パットに対し、後半は11パットと確かに数字はいい。スタートは午前7時5分で、起床は午前4時50分と早く「ギリギリまで寝ていたいので、朝のアップもせずスタートしました」と眠い目をこすりながらコース入りしたのは事実だ。 10番からスタートし、11番でボギーを叩くも、16番から連続バーディを決めると一気に目が覚めた。後半に入ると3番から3連続バーディ。そして最終9番パー5では251ヤードのセカンドを4番ユーティリティで狙うと5メートルにつけイーグルで締めくくった。特にショットが冴えわたり、前半こそ1アンダーにとどまったが「あまりにもチャンスにつくことが多かったので、何回も(パットを)外しました。さらに3つ、4ついけたんじゃないかなというくらい」と“もっと”という感覚すらあった。 「Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント」では5位タイ、先週の国内男子下部(ABEMAツアー)「PGM Challenge」は、2日目に首位に立ち、最終的には4位に入るなど好調が続いている。この要因について聞かれると「特に無いので困っちゃうんですよね」と笑った。突然よくなることもあれば、悪くなることもある。だからこそ「ゴルフは難しいということですよね」と話す。 昨年の3月には右ひざの前十字靭帯を伸ばし、一時は歩くこともままならない状態になった。ひざの痛みをかばうことで「調子が悪くなって、ティショットがイップスに入りかけていた」とも明かす。今は打っても痛みは出ないというが、できるだけひざに負担をかけないよう1回の打撃練習で1カゴ程度に抑えるなど制限がある。それでも「去年は最悪の経験をしているので、体が楽に動くことを幸せに感じながらゴルフをしています」と再び上位でプレーするよろこびをかみしめながらラウンドができている。 18年の10月末にプロ転向し、ツアーデビュー戦は19年の「RIZAP KBCオーガスタ 」。自己最高位は22年の「For The Players By The Players」での単独2位だ。26歳は、50回を迎える伝統の一戦でツアー初優勝を目指す。(文・齊藤啓介)