休み明けは要注意!子どもが不登校になる原因は?対応方法をプロが解説【体験談あり】
【中学生の不登校の原因ときっかけ】 前述した小・中学校と教育委員会を対象にした文部科学省の調査では、中学生の不登校の原因では「無気力・不安」「いじめを除く友人関係をめぐる問題」「生活リズムの乱れ、あそび、非行」が上位となっています。 中学生の当事者に聞いた調査では、「身体の不調」「勉強がわからない」「先生のこと」が上位です。 私の経験では、「先生と合わない」「授業がつまらない」などの声もよく聞きました。 中学生になると、自分が置かれた現状を正確に認識できるようになる分、友人関係のトラブルや、進路への不安に悩むお子さまが増えてきます。 深刻な悩みをもつお子さまも多いですが、原因が具体的になり、自分で説明する力も付いてくることから、サポートがしやすい面もあります。 【高校生の不登校の原因ときっかけ】 同じく小・中学校と教育委員会を対象にした文部科学省の調査では、高校生の不登校の原因は、「無気力・不安」「生活リズムの乱れ・あそび・非行」と回答した人の割合が突出して高く、大人に近づくプロセスの中で心身が不安定になり、不登校につながっていることが見てとれます。 なお「入学・転編入学・進級時の不適応」を挙げた人も目立ち、進学した高校とのマッチングがうまくいかなかったことが推測できます。成績優秀で、進学校に入学した生徒が、周囲の生徒に後れを取り、自己肯定感が下がってしまうなどの理由による不登校の事例も増えているように思います。
知っておきたい! 不登校の児童・生徒のタイプ3つ
不登校にはさまざまなタイプがあると言われますが、「親子分離不安型」「発達障害・学習障害型」「人間不信型」の3タイプに大きく分けられると考えています。また、発達障害により人間関係がうまくいかず人間不信に陥ってしまう複合型の子も多いです。 代表的な不登校のタイプについて知っておくことで、お子さまが「学校へ行きたくない」と言いだしたときに、対応策を考えやすいはずです。
【親子分離不安型】 保護者から離れることに強い不安や恐怖を感じ、登校をしぶるタイプ。その根底には、「もっと自分のことを見てほしい、興味を持ってほしい」という気持ちがあります。 小学校低学年のお子さまによくみられますが、近年は中・高学年でもこのタイプが増えています。 このタイプにおいては、お子さまの話をしっかり聞いてあげることが対応策の第一歩といえるでしょう。 【発達障害・学習障害型】 発達障害や学習障害の傾向がある、近年「グレーゾーン」といわれるタイプのお子さまの不登校もあります。同級生にできることができなくて自信をなくしたり、相手の気持ちを考えて話すことができなくて友人関係が悪化したりするといった経験が重なり、不登校に至ることが多いようです。 発達障害・学習障害による失敗やトラブルをきっかけとした不登校は、お子さまの意思とは関係なく起こるものです。 学校の先生からの指摘などでお子さまの特性が気になる場合は、小児神経科や児童精神科など専門機関に相談してみるのも一つの手です。 学習に関しては、学習についていけず苦労するケースもあれば、逆に俗に「ギフテッド」と呼ばれるような学力レベルが高い子や、精神年齢が高い子が「学校がつまらない」「話が合う友達がいない」という理由で学校に行きにくいと感じるケースも一定数あります。 【人間不信型】 「担任の先生と合わない」「友達との仲が悪化」「いじめを受けている」といった人間関係のトラブルをきっかけに学校から離れるお子さまは、小学校から高校まで幅広い世代にみられます。 人間関係のトラブルによって心身が不安定になり、登校しようとすると発熱や腹痛が起こるお子さまもいます。 トラブルの状況や、お子さまが感じているストレス度合いによって対処法は大きく変わります。 原因を特定することは大切ですが、「何があったのか言いなさい」などとお子さまを追いつめても事態は解決しません。話をしてくれるまで少し待つことが求められます。