【不動産売却】売主の努力で査定額は上げられる! 意外に見落としがちな4つのポイントを解説
不動産を売却するとき、売主の工夫次第で価格が上がることは往々にしてあります。意外と見落とされている部分が査定額に影響を及ぼします。どんな点に着目すればいいのでしょうか。今回は、4つのポイントについて解説します。(一心エステート株式会社代表取締役:高田一洋) 大手不動産仲介は「囲い込み」が蔓延?! 売却時は両手比率が高い会社に注意を 目次 物件の清潔さは価格に直結する売却の適切なタイミングと事前準備ホームステージングで売却をスムーズに良い不動産会社をどう選ぶか?まとめ:総合的にアプローチする
査定額を上げるポイント1:物件の清潔さは価格に直結する
売主の努力次第で物件の価格に大きく影響し、かつ最も見落とされがちなポイントは、物件の清潔さです。 これは、購入して売却するまでの間に、きれいに住んでいたか、こまめに普段の手入れを行っていたかに起因します。実は、これが査定額に与える影響は想像以上に大きいのです。 実際に私が担当した都内の城東エリアのマンションのケースで説明します。この物件は、前のオーナーが20年ほど住んでいましたが、残念ながら内装や設備の手入れが行き届いていませんでした。結果、4,650万円で売り出し、最終的に4,600万円で成約しました。 ここで重要なのは、もし適切に手入れがされていれば、同じ物件でも5,000万円から5,100万円ほどで売却できた可能性が高い点です。つまり、清掃や日々の手入れだけで、500万円もの差が生まれる可能性があるのです。 清潔さを保つためには、定期的な掃除が欠かせません。特に注意が必要なのは窓ガラスの清掃です。黄砂や汚れが付着した窓ガラスは、物件全体の印象を大きく下げます。 また、カーテンの手入れも重要です。日焼けや汚れが目立つカーテンは、部屋全体の印象を悪くします。定期的な洗濯や交換を心がけましょう。さらに、バルコニーの清掃も忘れずに。外からも見える場所なので、注意が必要です。 清潔さが売却価格に影響を与える理由 なぜ、清潔さが重要なのか?これにはいくつかの理由があります。 1つ目は、物件の売却を担当する営業担当者のモチベーションに影響を与えるためです。営業担当者は、売主から売却の相談を受けて、周辺の取引事例などを参考に机上査定を行い、おおよその金額を査定しますが、実際に売りに出す際には必ず現地査定を行います。 その際に、物件が汚い状態だったり、荷物やゴミがあふれていた場合、営業担当者は「売りにくそうな物件だな。値引きして早く売ってしまおう」と心の中で考えます。査定時に営業担当者に与える印象によって、価格は大きく変わることに注意しましょう。 2つ目として、汚い状態だと物件写真を撮影できないことも、高く売るためにはマイナスポイントとなります。不動産会社は、不動産ポータルサイトに物件情報を載せて、購入検討者を集客します。 業界内では、物件掲載時に「部屋の写真は15枚以上掲載しないと反響がない(室内写真がないと反響が少ない)」という常識があります。荷物や残置物がある物件は、写真を撮影して掲載することが難しくなります。 ポータルサイトに掲載するために不動産会社が広告料を支払います。物件写真を撮影できない物件や、撮影枚数の少ない物件を掲載するよりも、他の物件を掲載する方が集客できるため、清潔さのない物件はポータルサイトに掲載する優先順位も低くなってしまうのです。 修繕やリフォームは必要なのか 清掃と並んで重要なのが適切な修繕です。長年住んでいると、気づかないうちにさまざまな箇所が劣化していきます。これらを放置すると、査定額に大きく影響します。 なかでも、効果的な修繕箇所が壁紙の張り替えです。比較的安価で、効果の高い投資と言えるでしょう。部屋の印象を一新させます。また、フローリングの補修も見逃せません。傷や剥がれは、物件の価値を大きく下げてしまいます。 その他にも、わざわざ売却のために費用をかけて行う必要はありませんが、キッチンやトイレといった水まわりのリフォームや設備の取り替えなどを、生活の必要性においてこまめに行っている物件は、物件価格に良い影響を与えるでしょう。 【関連記事】>>マンションを高く売却するならリフォームしよう!「相見積もりをとる」など成功するための5つのポイントを紹介