ロニー・クインタレッリ(No.23 MOTUL AUTECH Z)「淋しさというよりうれしさ。こんなすごい仲間とずっとやってきたんだと、うれしかった。」 | SUPER GT 2024 第5戦(最終戦) 鈴鹿サーキット【SUPER GTあの瞬間】
── 決勝に向けて、クルマのセットアップを変更した結果、ずいぶん良くなったそうですね。
クインタレッリ:Q1で、(前のクルマに)引っかかってしまった話をしましたが、多分それがなくても僕のQ1は8番手、9番手ぐらいだったかな? 前(の位置)に来る力がなかったですね。千代選手のQ2もそうでしたが、クルマのバランス的にちょっと足りない部分があって。乗りにくい部分がふたりともまったく同じで、満足しなかったので、決勝に向けて2、3点ほど細かくアジャストをしました。決勝前の20分間のウォームアップ(走行)のときに乗ったら、ものすごくクルマのフィーリングが良くて。SUPER GTの最後のウォームアップでトップタイムも出しました。このクルマのフィーリングなら、すごくいいレースができるという感触がありましたね。チームがやってくれたアジャストがちゃんといい方向で働いてくれました。前日の夜、(2011年~2013年にコンビを組んだ)柳田(真孝)さんも一緒に千代選手と食事したんですが、『明日、最後のウォームアップだから、ロニーはガソリンが軽い状態で走ればいいんじゃない? それで最後にとんでもない(速い)タイムを出して、いい印象を残したら?』みたいなことを話していたんです。実際は、ガソリンを軽くしたわけじゃなく、普通のレース(仕様)で走って、いいウォームアップができたので、柳田さんもすごく喜んでくれました(笑)。それくらい、レースに向けてはすごく良かった。モチベーションもそうだし、日曜日の決勝に関しては、本当にすばらしくいい感じでした。
── その分、逆に「もう今日で最後なんだな」という気持ちが大きくなりませんでしたか?
クインタレッリ:エモーショナルな瞬間がひとつだけありました。(J SPORTSの中継でピットレポーターを務める)高橋二朗さんからの取材のときかな? スタート前のインタビューのときです。それ以外は、これまで応援してくれた方とか、ファン含めて、23号車のグリッドの周りにたくさんの人が来てくれて。久しぶりに会った方もいて、とにかくみんなと記念写真を撮りたいと思って、かなりバタバタで。“淋しい”とか“これで最後だな”みたいなことを考える時間がなくて、そういう瞬間、瞬間をすべて楽しみたいという気持ちでみんなと一緒にグリッドウォークの時間を過ごしました。(高橋)二朗さんと一緒に居た10秒、20秒間のときだけ、質問に対して、僕の(SUPER GTでの)20年間を振り返っていたら、ちょっとだけそのときは淋しくなって。でも、その瞬間だけでしたね。