ロニー・クインタレッリ(No.23 MOTUL AUTECH Z)「淋しさというよりうれしさ。こんなすごい仲間とずっとやってきたんだと、うれしかった。」 | SUPER GT 2024 第5戦(最終戦) 鈴鹿サーキット【SUPER GTあの瞬間】
── さて、鈴鹿大会について。予選では、Q1担当でまさかの15番手。なにがあったのですか?
クインタレッリ:ピットから出る前に、アタックの計測2周目でタイムを出そうとチームと決めていました。みんな(ライバルたちは)3周目(にアタックをする)かなと思って、うちはピットでウェイティングしていたんです。残り8分ぐらいにピットから出たんですが、1周目のアタックに入る前に、前のクルマとのスペースをすごく取っていたんですけど、途中から前の2、3台くらいがゆっくり(のペース)で、まだタイヤを温めていて。“あれっ!?”みたい(な感じ)でした。シケインではさらに3台がペースを落としたので、前のクルマとの間隔を開けたかったから、またもう1回スローダウンして……。でも、僕の計測3周目はタイヤのピークが過ぎてしまって、微妙なアタックでしたね。結局、みんな3周目じゃなくて、4、5周目ぐらいで(アタックをして)。タイヤの違いなのか、(周りは)硬めのタイヤ(選択)だったのかな。だから1周のズレじゃなくて、2周のズレになってしまって、みんなのクルマと(アタックの)タイミングが合わなかったですね。僕のなかでは、かなりフラストレーションが溜まった最後の予選でした。
── 一方、ラストレースに向けて、どんなチームミーティングをしましたか?
クインタレッリ:まず、恒例のチームミーティングをレースウィークの月曜日にやりました。そのときに、監督の中島(健)さんから、ロニーにとって最後のSUPER GTのレースなので、『ロニーは後半(スティント担当)でいいですか?』と聞かれて。普通、ファンの皆さんは、引退するドライバーのチェッカーを受ける瞬間を見たいですよね!? でも、隣にいた千代(勝正)選手が、『いやいや、僕のプレッシャーが半端ない。僕のスティントでなんかあったら、もうロニーの出番がなくなっちゃう』と、千代選手からOKが出なくて(笑)。正直、僕はミーティングに行く前に、自分のなかでも考えていたんです。チームが作戦を考えるときに、そういう話が来るって。そのとき、うちの息子……息子は鈴鹿にも来てくれたんですけど、すごくレースが大好きで、小学生なのにアドバイスもくれたりして。で、息子に相談したんですね。『パパはどうしたらいいと思いう?』って。そしたら『パパはいつもスタートのイメージがあるから、スタート(担当)でいいんじゃない』って言われて。それで、僕はある程度イメージができたんです。この前の鈴鹿戦を含め、SUPER GTで149戦のレースに出たうち、多分9割はスタートドライバーを務めてきたんですよね。多分、ファンは僕に対して“スタートドライバー”というイメージが強いと思いました。最近の作戦の傾向で、ミニマム(の周回数)でピットに入ってきたりするので、今回もスタート(を担当)すると走れる周回数が短くなるんですけど、その姿を見せたら、“最後の最後までロニーらしい”と、ファンも納得するんじゃないかなと思いました。それで、『スタート(を担当)します』って言って、チームのみんなと決めました。