なでしこジャパン、メンバー最終選考サバイバルの行方。「一番いい色のメダルを目指す」パリ五輪へ向けた現在地
18枠をポジションごとに展望。ユーティリティ性もポイントに
今回の2連戦をふまえて、パリ五輪選考の行方を占ってみたい。 昨夏のワールドカップ以来、チームの主軸を担ってきたGK山下杏也加、センターバックの熊谷紗希と南萌華、右ウイングバックの清水梨紗、ボランチの長谷川と長野、FWの田中、藤野はメンバー入りが確実と思われる。 GKのもうひと枠は、経験と実績も含めて平尾知佳が入る可能性が高い。山下もその才能を評価するの大場朱羽も候補だが、4年後に期待したい。 センターバックでは、高橋はなの選出も堅いだろう。今季はケガで離脱した時期もあったが、「彼女の良さである部分はこれまでの活動でも把握している」(池田監督)と再招集。ワールドカップでもケガ明けでスペイン戦のスタメンに抜擢された経緯があり、指揮官の信頼は厚い。 最終ラインのもうひと枠は、古賀か、石川璃音か。古賀は19歳、石川は20歳といずれも若く、対人の強さは甲乙つけ難い。代表初ゴールを決めた古賀のアピールは強烈だが、浦和の連覇を支えた石川も成長の速度を緩めていない。フル出場した初戦の後にはこう話していた。 「限られた人数しかオリンピックには行けない中で、代表での立ち位置は自分なりに感じていますが、選ばれるかどうかを気にするのではなく、自分の取り組みを見てもらえるようにしたいです。リーグ戦では自分からアクションを起こして攻撃につながるパスの精度を高めてきたので、成長した自信があります」(石川) 左ウイングバックは、北川ひかるが2試合連続で先発。初戦は慣れない組み合わせで左サイドの連係に苦労していたが、セットプレーで古賀のゴールを演出した。貴重なレフティでセットプレーのキッカーも務められるため、選出は濃厚だろう。 右ウイングバックは清水がファーストチョイスだが、バックアップは左右でプレーできる守屋都弥が第一候補。ただし、今回の起用を見ると、右ウイングの清家貴子が一列下がる形も指揮官の構想にはあるようで、ここは悩ましいポイントだ。 清家は国内得点王に輝いた成長を代表にも還元し、ウイングのポジションでじわじわと序列を上げてきた。左ウイングの第一候補には、宮澤ひなたが入ると予想する。ケガ明けでパフォーマンスは戻りきっていないが、ワールドカップ得点王に輝いたポテンシャルの高さは揺るぎない。強豪相手のカウンター攻撃には欠かせない存在だ。 ボランチはハイレベルな戦いだ。林穂之香と谷川萌々子が控える。周囲との連係やプレーの安定感では林がリードしているが、谷川はここぞという場面での“一発”を持っている。今回はケガの影響で出場時間が限られたが、どうなるだろうか。中盤とサイドの人数的なバランスを考えると、林、守屋、谷川から2人が選ばれると予想する。