【新課程・大学共通テストの疑問】私大希望でも受ける?服装は?電車が遅れたら…?
■2025年度大学入学共通テスト
保護者世代にとって、実はよく知らないことも多い「大学入学共通テスト」。いつ申し込むの? 当日に体調を崩したらどうなる? さらに2025年からの新教育課程での変更点など、保護者からよく聞かれる疑問に、大学受験に詳しい河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員が答えます。 【写真】料理研究家に聞く これが大学受験で必勝弁当
1. 共通テストって? 受験生はみんな受けるの?
保護者世代には、大学入試センター試験やかつての共通一次試験と同じような位置づけというと、わかりやすいかもしれません。毎年1月中旬の2日間(土・日)に全国で一斉に行われる試験で、現在では毎年およそ50万人が受けるため、「日本最大の入学試験」とも言われています。試験会場は、通っている高校または自宅がある地域の国公私立大が基本です。 国公立大の一般選抜では、この「共通テストの得点」と「大学独自の2次試験(個別学力検査)の得点」の合計で合否判定されるため、共通テストの成績をもとに、1月下旬ごろから各大学の2次試験に出願します。つまり国公立大の一般選抜を受ける場合は、原則として共通テストを受ける必要があります。 一方、私立大志望の受験生は必ずしも共通テストを受ける必要はありませんが、共通テストの成績で合否を判定する「共通テスト利用方式」を実施している私立大がたくさんあります(個別試験を課すケースもあります)。共通テストの結果だけで複数の大学や学部・学科に出願できる場合もあるため、一般方式と並行して利用することで、合格のチャンスが広がるメリットがあります。
2.「共通テスト利用方式」を受ける際の注意点は?
私立大の「共通テスト利用方式」は、志望大学まで試験を受けに行くことなく、共通テストの結果だけで複数の大学や学部・学科に出願できる選抜方式です。受験料についても、私立大の一般方式では1校あたり3万5000円ほどかかるところ、その半額程度で済むため、お手軽に受けられます。ただし、それはメリットでもあり、デメリットでもあります。 というのも、願書を出すだけなので、大学のことをよく調べずに何校にも出願してしまいがちです。ネット通販で実物を見ずに買い物をしてしまうのと少し似ているのですが、不安なあまり「ここも出しておこう」「あそこも出しておこう」と出願しすぎてしまう傾向があります。そうなるとトータルの受験料もかさんでしまいます。 また、「共通テスト利用方式」の募集定員はかなり限られ、そこに多くの志願者が集まるので、合格ラインが高くなりがちです。私立大の独自試験と共通テストは出題形式が異なるため、両方受けるとなると、どちらの対策も必要になります。「共通テスト利用方式」に出願すべきなのか、本当に行きたい大学なのか、よく検討したうえで出願することをおすすめします。