【このボンドカーなんぼ?】『007/慰めの報酬』で使用されたアストンマーティンDBSがオークションに オリジナルボンドカーの価格は?
撮影に使用された車はすべてマニュアル車だった
最終的に、全く同じ「アストンマーティンDB5」が5台残った。すべて同じ色で、すべて6速マニュアルトランスミッション搭載車だった。そして、撮影とプロモーションの段階を終えた後、すべてが販売された。
そして今回、「E00042」が、ベルギーのクノック=ヘイストで開催される「Zoute Sale」で、ボナムズによりオークションにかけられる。映画で使用されたアストンマーティンと同様に、「DBS」も2008年2月に英国ゲイドンで2009年モデルとして製造された。「DBS」は任務を成功裏に果たした後、2009年に最初の、そして現在まで唯一のオーナーであるスイス人へと売却された。そのオーナーは、現地のディーラー、「アストンマーティン ザンクトガレン」で定期的にV12クーペのメンテナンスを受けていた。
推定価格は18万~24万ユーロ(約2,900~3,880万円)
走行距離約37,800km、「アストンマーティン ヘリテージ」の公式証明書付きの「DBS」がオークションに出品される。推定価格は18万~24万ユーロ(約2,900~3,880万円)だ。つまり、有名な007映画出演による割増価格はそれほど高くないということだ。なぜなら、現在ドイツで販売されている最も安価な「DBS(マニュアルトランスミッション)の価格は16万5,000ユーロ(約2,670万円)だからだ。これは、真に、ジェームズ ボンドファンにとって絶好のチャンスだ。
【加筆:大林晃平】 歴代ジェームス ボンドの中で、もっともボンドカーを壊したり、廃車にさせたりしてきたのは、間違いなくダニエル クレイグである。彼の登場したニヒルな5作品では、必ずアストンマーティンがボンドカーとして登場するが、5作中3作品(『カジノロワイヤル』、『スカイフォール』、『スペクター』)では文句なしの全損に、『慰めの報酬』と『ノータイムトゥダイ』ではかろうじて走行不能にはなっていないが、まあ保険会社の調査員が見たら、全損扱いにしたいくらいの損傷状態である。 蛇足ながら二番目にボンドカーを破壊したのはピアース ブロスナンだと思うが、彼の場合BMWのボンドカーを破壊したことが多いので、おそらく反感を得るというよりは、なんだか破壊されるアクションを観てすっきりした気持ちになる、というのは偏見だろうか?(笑) さて今回の「アストンマーティンDBS」だが『慰めの報酬』のオープニングシーンでいきなり登場するボンドカーで、歴代のボンド映画の中で、あれほどハードなカーチェイスシーンはないと思うほどだし、そもそも映画が始まるシーンが、追われるボンドのカーチェイスというのもこの映画だけだ。 本文中の記載通り、「DBS」は10台作られたというが、あれほどのカーチェイスシーンを撮影するのに10台だけで済んだというのも意外だったし、他の映画では格好だけの(つまりアストンマーティンのドンガラを他のクルマに被せたもの)アストンマーティン(とかBMWも)が作られて用いられてきたし、この作品のようにエンジンも含めて全部アストンマーティンに発注ということはなかったはずである。
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